後援会や支援者の連絡を、LINEグループでやっている陣営は多いと思います。電話より早く、メールより読まれます。
ただ、LINEグループはいつ何を送ってもいいわけではありません。 同じ「よろしくお願いします」でも、告示の前か後か、投票日の当日かで、合法にも違反にもなります。
この記事では、平時と選挙期間に分けて、LINEグループの使い方と、違反になること・ならないことを整理します。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。
前提:LINEは「ウェブサイト等」。一般の支援者も使える
公職選挙法では、LINEのメッセージは電子メールではなく「ウェブサイト等」として扱われます(総務省の解説による)。
そのため、候補者本人だけでなく、一般の支援者もLINEで投票を呼びかけることができます。 メールやSMS(ショートメッセージ)は候補者と政党しか使えないので、ここが大きな違いです。
LINEとSMSの線引きは、LINEで投票を呼びかけていい?SNSメッセージと電子メールの線引きで詳しく書いています。
ただし、「使える」のは選挙運動期間中(告示日から投票日の前日まで)だけです。ここを押さえたうえで、時期ごとに見ていきます。
まず決めること:グループか、公式アカウントか、オープンチャットか
使い方の前に、器の選び方で失敗している陣営が多いです。
| LINEグループ | LINE公式アカウント | オープンチャット | |
|---|---|---|---|
| 向いている使い方 | 選対・スタッフの連絡 | 支援者への一斉のお知らせ | 広く意見を集める場 |
| 参加者どうし | 名前が見える | 見えない | ニックネームで参加 |
| 返信 | 全員に見える | 1対1 | 全員に見える |
| 荒れやすさ | 中 | 低 | 高 |
いちばん注意したいのは、LINEグループでは参加者どうしの名前が見えることです。
支援者の中には、勤め先や近所の手前、誰を応援しているか知られたくない人がいます。後援会の全員を1つのグループに入れると、「あの人もこの候補を応援しているのか」が全員に分かってしまいます。
支援者へのお知らせはLINE公式アカウント、内輪の連絡はLINEグループ、と分けるのがおすすめです。公式アカウントの立ち上げ方はLINE公式アカウント【立ち上げから運用体制まで】にまとめています。
平時(選挙期間の外)の使い方
送ってよいもの
- 議会の報告、活動の報告(今日の一般質問でこんなことを聞きました、など)
- 地域の困りごとの聞き取り(通学路で危ないところはありませんか、など)
- 後援会の集まりや、報告会の案内
- 政策についての意見募集
これらは政治活動なので、平時でも自由にできます。
送ってはいけないもの
「次の選挙で私に入れてください」は、平時には送れません。 告示前に特定の選挙で投票を頼むのは事前運動で、公職選挙法129条で禁止されています。
「次もよろしくお願いします」「〇月の選挙、応援お願いします」も、選挙と投票を結びつけて読める書き方は避けてください。 活動の報告と、投票のお願いは別物です。
年賀のあいさつに注意
政治家(現職・立候補予定者)は、選挙区内の人に年賀状や暑中見舞いなどのあいさつ状を出すことが禁止されています(公職選挙法147条の2。答礼のための自筆のものを除く)。
LINEでの一斉の年賀メッセージがこの禁止に当たるかどうかは、はっきりした公式の見解が見当たりません。 迷うなら、後援会グループへの一斉の「あけましておめでとうございます」は避けるのが無難です。どうしても送るなら、事前に選挙管理委員会に確認してください。
選挙期間中(告示日〜投票日の前日)の使い方
7日間で何をどの順番で送るか、文例つきの設計は選挙期間中、LINEでどう支援と投票をお願いするかに書きました。ここでは、やってよいこと・いけないことに絞ります。
送ってよいもの
- 「〇〇さんへの投票をお願いします」という呼びかけ。候補者本人も、一般の支援者もできます
- 選挙ビラやポスターの画像を送る
- 演説の日程や場所の案内、演説動画のリンク
- グループのメッセージの転送。LINEは「ウェブサイト等」なので、転送もできます(メールは転送できません)
- スタッフの連絡(集合場所、シフト、選挙カーのルート)
やってはいけないもの
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| LINEで届いたビラの画像を印刷して配る | ネットで解禁されたのは画面上の頒布まで。紙にして配ると、法定外の文書を配ったことになる |
| 18歳未満の人に拡散を頼む | 18歳未満は選挙運動そのものが禁止(137条の2)。家族のグループでも同じ |
| 「シェアしてくれたらLINEギフトを送ります」 | 投票や選挙運動の見返りに金品を渡すのは買収(221条) |
| お手伝いの人にお金を払ってLINEを送ってもらう | 選挙運動に報酬を払うのは原則として買収。報酬を払える人は、届け出た事務員や車上運動員(ウグイス嬢)などに限られる |
| LINE広告で候補者名を出して宣伝する | 選挙運動用の有料インターネット広告は禁止(142条の6) |
| 相手候補の悪口やデマを流す | 虚偽の情報を広めると虚偽事項公表罪(235条)。転送しただけでも責任を問われ得る |
| 公務員に、職場のグループで呼びかけてもらう | 公務員が立場を利用して選挙運動をすることは禁止(136条の2) |
グループの中に18歳未満がいること自体は問題ありません。 読むのは自由です。問題になるのは、その子が転送したり、投票を呼びかけたりしたときです。
連絡先の表示を忘れずに
選挙運動のためにウェブサイト等を使うときは、メールアドレスなどの連絡先を表示する義務があります(142条の3)。総務省の解説では、メールアドレスのほか、返信用フォームのURLやSNSのユーザー名でもよいとされています。
LINEの場合は、送り主のアカウントに返信できる状態にしておくことが基本です。念のため、配信するメッセージの最後に陣営の連絡先を1行入れておくと安心です。
投票日の当日
投票日の当日は、新しいメッセージで投票を呼びかけることはできません。 選挙運動ができるのは投票日の前日までです。違反すると、1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(総務省の解説による。2025年6月から「禁錮」は「拘禁刑」に一本化)です。
| 投票日の当日 | |
|---|---|
| 「〇〇さんに入れてください」を送る | 違反 |
| 前日までに送ったメッセージがトークに残っている | 問題なし(消す必要はない) |
| 「今日は投票日です。投票に行きましょう」(候補者名なし) | 問題なし。投票に行くことの呼びかけは選挙運動ではない |
| スタッフへの「集合は18時です」 | 問題なし。ただし投票の依頼を混ぜない |
いちばん危ないのは、当日の朝に「最後のお願いです!」を送ってしまうことです。熱が入っている陣営ほどやりがちです。前日の夜のうちに、「明日はグループで投票のお願いをしない」と全員に伝えておいてください。
選挙が終わったら
当選・落選のお礼は、LINEで送ってかまいません。 選挙後のあいさつは原則として制限されていますが、インターネットを使ったお礼のあいさつは認められています(公職選挙法178条)。
ただし、お礼の品を贈る、お礼の食事会を開くといったことは、LINEで案内したとしてもできません。
一覧:違反になること・ならないこと
| 時期 | やること | 判定 |
|---|---|---|
| 平時 | 議会や活動の報告 | OK |
| 平時 | 後援会の集まりの案内 | OK |
| 平時 | 「次の選挙で入れてください」 | 違反(事前運動) |
| 平時 | 一斉の年賀メッセージ | 要確認(避けるのが無難) |
| 選挙期間 | 候補者本人が投票を呼びかける | OK |
| 選挙期間 | 支援者が友だちに投票を呼びかける | OK |
| 選挙期間 | ビラの画像を送る・転送する | OK |
| 選挙期間 | ビラの画像を印刷して配る | 違反 |
| 選挙期間 | 18歳未満が転送・呼びかけをする | 違反 |
| 選挙期間 | シェアのお礼にLINEギフト | 違反(買収) |
| 選挙期間 | 候補者名入りのLINE広告 | 違反 |
| 選挙期間 | 相手候補のデマを転送する | 違反(虚偽事項公表) |
| 投票日 | 新たに投票をお願いする | 違反 |
| 投票日 | 候補者名なしで「投票に行こう」 | OK |
| 投票日 | 前日までのトークを残しておく | OK |
| 選挙後 | LINEで当選・落選のお礼 | OK |
| 選挙後 | お礼の品や食事会 | 違反 |
※個別の判断に迷うときは、必ずその選挙の選挙管理委員会に確認してください。
2027年3月から、メールも同じ扱いになります
2026年7月に成立した公職選挙法の改正で、2027年3月1日から電子メールの規制がなくなり、LINEやSNSと同じ扱いになります。 2027年4月の統一地方選挙から適用されます。
あわせて、AIで作った画像や動画の表示義務、なりすましの禁止も入りました。LINEで画像を回すときにも関係します。詳しくは2027年3月から選挙のネット運用が変わるをご覧ください。
LINEの運用ルール、選挙の前に決めておきませんか
LINEグループの違反は、候補者本人ではなく、熱心な支援者が起こすことがほとんどです。本人が知らないところで送られたメッセージでも、陣営の責任として報じられます。
だから、選挙の前に「送ってよいもの・いけないもの」を決めて、グループの全員に共有しておくことが大切です。
えらぶカーでは、SNSコンサルティングの中で、LINEグループや公式アカウントの分け方、選挙期間中の運用ルールづくりのご相談もお受けしています。
出典
- 総務省「インターネット等を利用する方法による選挙運動の解禁等」 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10_2.html
- 群馬県選挙管理委員会「【有権者の皆様へ】インターネット等を利用した選挙運動の一部解禁について」 https://www.pref.gunma.jp/page/21751.html
- 上田市選挙管理委員会「Q&A(寄附やあいさつ状の禁止)」 https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/senkan/15211.html
SNS運用・動画制作・Web制作も承っています
えらぶカーでは、車両のレンタルだけでなく、政治家の方向けのSNS運用・動画制作・Web制作もお受けしています。選挙カーのご利用に関わらず、単体でご依頼いただけます。 制作から運用のご相談まで、山西が直接担当します。外注に丸投げはしません。
| サービス | 料金(税別) |
|---|---|
| 撮影(カメラマン同行) | 40,000円 / 日 |
| 動画の編集 | 20,000円 / 本 |
| 撮影+編集5本(最小構成) | 140,000円〜 |
| SNSコンサルティング(1日訪問) | 40,000円 |
| ポスターデザイン | 40,000円 / 枚 |
| Web制作(LP形式) | 198,000円〜 |
交通費は実費精算です。議会や国会に伺っての撮影代行も承っています。サイトに何を載せるかは政治家のホームページに何を載せるべきかにまとめました。サービスの詳細は政治家・候補者のSNS運用支援、詳しい料金は料金ページをご覧ください。
有権者名簿の一元管理などのツールについては、提携先の当選・再選へGO!をご紹介しています。
選挙カーのご相談はえらぶカーへ
えらぶカーは、東京・大森で選挙カー・街宣車のレンタルと販売を行っています。LINEやSNSは「知っている人」に届く道具で、選挙カーは「知らない人」に名前を届ける道具です。 役割が違うので、どちらか一方では足りません。
この3つを教えていただければ、お見積りをお出しします
1. どの選挙か(市議選/町村議選/首長選 など) 2. 告示日と投票日(未定でも構いません) 3. 必要なもの(選挙カー1台/看板だけ/音響だけ など)
「まだ出馬を決めていない」という段階でも構いません。 公費負担でいくら戻るのか、自家用車に看板を付けるといくらか、といったご相談だけでも承っています。お見積りは無料です。
| プラン | 料金 |
|---|---|
| 選挙期間プラン | 公費+198,000円〜(時期により変動) |
| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
| 看板セット(買い切り・税込) | 327,800円 |
| 看板・音響フルセット(買い切り・税込) | 438,000円 |
2027年春は統一地方選挙です。 全国で車両の手配が重なりますので、日程が見えた段階でのご連絡をおすすめします。自家用車に看板を取り付ける方法もあり、詳しくは自家用車を選挙カーへにまとめています。
\ お気軽にどうぞ /
お電話:080-5457-1641(平日10:00〜18:00/担当:山西)
料金の詳細を見る
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