事業をしている方が立候補を考えるとき、よく出てくる疑問があります。
「活動資金は自分で出すつもりだけど、自分の後援会にいくらまで入れていいのか」
自分のお金なのだから、いくら入れても自由だと思いがちです。実は上限があります。 しかも、手続きをひとつ踏んでいるかどうかで、上限が150万円にも1,000万円にもなります。
この記事では、その仕組みと、1,000万円で足りないときの「貸す」という方法をまとめます。貸す方法については、えらぶカーで選挙管理委員会に確認した内容を書いています。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。
※政治資金の扱いは、必ずご自身の届出先の選挙管理委員会に確認してください。
結論
| 自分の政治団体へのお金の入れ方 | 上限 |
|---|---|
| 資金管理団体に指定していない後援会・政治団体へ寄附 | 年150万円 |
| 資金管理団体に指定した政治団体へ、自分のお金で寄附 | 年1,000万円 |
| 自分の政治団体へ貸す(借入金として) | 上限なし(返済計画が前提) |
| 自分の会社から寄附 | できない |
個人が寄附できる額には、2つの上限がある
政治資金規正法では、個人が政治団体に寄附できる額に、2種類の上限があります。
| 上限の種類 | 内容 |
|---|---|
| 総枠(全部あわせて) | 政党・政治資金団体へ年2,000万円/その他の政治団体へ年1,000万円 |
| 個別(1つの団体あたり) | 同じ政治団体へは年150万円まで(22条2項) |
後援会は「その他の政治団体」です。つまり普通なら、1つの後援会に入れられるのは年150万円までです。
候補者本人であっても、原則はこの150万円が適用されます。 自分で作った後援会に自分で寄附するのも「寄附」だからです。
資金管理団体に指定すれば、1,000万円まで入れられる
例外があります。
公職の候補者(立候補を予定している人を含む)が、自分の「資金管理団体」に寄附する場合は、1つの団体あたり150万円という個別の上限がかかりません(政治資金規正法22条3項)。総枠の年1,000万円の範囲で入れられます。
資金管理団体とは
政治家が、自分のために政治資金を受け取る団体として指定した、1つの政治団体のことです。
- 1人につき1団体だけ指定できる
- 代表者は本人でなければならない(19条)
- 指定は、政治団体の届出先の選挙管理委員会に届け出る
- 土地や建物を持つことはできない
つまり流れはこうです。
- 後援会などの政治団体を設立して届け出る(代表者は自分)
- その団体を資金管理団体として指定し、届け出る
- そのうえで、自分のお金を年1,000万円まで寄附できる
手続きをしないまま後援会にお金を入れると、150万円を超えた時点で違反になります。 事業をしている方は、ここで引っかかりやすいので注意してください。
1,000万円で足りないなら、「貸す」
ここからが、あまり知られていない部分です。
寄附の上限は年1,000万円ですが、自分の政治団体にお金を「貸す」ことはできます。 政治団体が借入れをすること自体は認められていて、収支報告書に借入金として記載します。
えらぶカーで選挙管理委員会に確認したところ、次のとおりでした。
- 自分の資金管理団体にお金を貸すことはできる
- 貸す額に上限はない
- ただし、きちんとした返済計画を立てることが重要
なぜ返済計画が大事なのか
返すつもりのない「貸付」は、実質的には寄附と変わらないからです。
あとで返済を免除すれば、団体は返さなくてよい利益を受け取ったことになります。そうなると、寄附の上限を「貸す」という形でくぐり抜けたと見られかねません。
だから、
- いつ、いくらずつ返すのかを決めておく
- 借用書(金銭消費貸借契約書)を作っておく
- 実際に返済した記録を残す
- 収支報告書に借入金・返済を正しく記載する
ことが必要です。「借りたことにしておく」では通りません。
自分の会社のお金は入れられない
事業をしている方がいちばん間違えやすいところです。
会社(法人)は、政治家個人や、その資金管理団体・後援会に寄附することができません(政治資金規正法21条1項)。会社が寄附できる先は、政党と政党の支部などに限られます。
自分が社長だからといって、会社の口座から後援会にお金を入れることはできません。 入れられるのはあなた個人のお金です。
また、会社のお金を一度個人名義にして寄附するような形は、他人名義での寄附(22条の6で禁止)と見られるおそれがあります。役員報酬など、正式に個人のものになったお金から出してください。
政治家個人へのお金の寄附も原則禁止
もう一つ。支援者が政治家個人にお金を寄附することは、原則として禁止されています(21条の2。選挙運動に関するものを除く)。
だからこそ、お金の受け皿としての資金管理団体が必要になります。支援者からの寄附を受けるためにも、自分のお金を入れるためにも、政治活動を始める段階で、資金管理団体を作っておくのが基本です。
選挙運動の費用は、また別の話
ここまでは平時の政治活動のお金の話です。
告示から投票日までの選挙運動の費用は、公職選挙法で別に管理されます。出納責任者を置き、選挙運動費用の上限(法定選挙運動費用)の範囲で使い、選挙後に収支報告書を出します。
候補者自身のお金を選挙運動に使うこともできますが、政治団体のお金とは帳簿を分けて考える必要があります。
どのくらいお金がかかるのか
参考までに、市議会議員選挙で必要になる主なお金です。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 供託金(市議選) | 300,000円(得票が足りないと没収) |
| 選挙カー(平時・単独選挙) | 公費+198,000円〜 |
| 選挙カー(2027年統一地方選) | 370,000円〜(公費は別途) |
| 看板(デザイン+4面印刷) | 120,000円 |
選挙カーの公費負担は、供託金が没収される得票だと受けられません。 詳しくは供託金の記事と公費負担の限度額一覧をご覧ください。
よくある質問
Q. 配偶者や親のお金を、自分の資金管理団体に入れてもいいですか?
入れられますが、候補者本人のお金ではないので、ほかの支援者と同じ個人の寄附として扱われます。1つの団体に年150万円まで、年5万円を超えれば収支報告書で公開されます。家族のお金を「本人のお金」として入れるのは、他人名義の寄附と見られるおそれがあります。支援者からの寄附のルールは支援者から寄附を受けるときのルールにまとめました。
Q. 選挙運動の費用に、自分のお金を使うのにも上限はありますか?
選挙運動の期間に使う費用は、法定選挙運動費用の上限の範囲に収める必要があります。上限額は選挙ごとに選挙管理委員会が告示します。自分のお金かどうかにかかわらず、この上限は同じです。
Q. 貸したお金が返せなくなったら、どうなりますか?
返済を免除すると、実質的に寄附と見られる可能性があります。返済の見通しが立たなくなった時点で、選挙管理委員会に相談してください。だからこそ、最初に無理のない返済計画を立てておくことが大切です。
まとめ
- 自分の後援会に自分のお金を入れるのも「寄附」。原則は年150万円まで
- 資金管理団体に指定すれば、年1,000万円まで入れられる
- それでも足りなければ貸すことができ、金額の上限はない
- ただし返済計画と記録が必須。返さない貸付は寄附と見られかねない
- 会社のお金は入れられない
政治資金は、収支報告書で全部公開されます。あとから「自己資金の入れ方」を指摘されないよう、始める前に選挙管理委員会に相談してください。
出典
- 東京都選挙管理委員会「政治資金規正法及び公職選挙法における寄附の制限」 https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/senkyo/3001kifuseigen
- 総務省「政治資金規正法のあらまし」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000174716.pdf
- 政治資金規正法(e-Gov) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000194/
- 貸付の上限と返済計画:えらぶカーが選挙管理委員会に確認(2026年9月)
選挙カー・看板のご相談を承っています
えらぶカーは、東京・大森を拠点に、選挙カー・街宣車のレンタルと販売を行っています。全国対応です。
| プラン | 料金(税別) |
|---|---|
| 選挙期間プラン | 公費+198,000円〜(時期により変動) |
| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
| 看板デザイン+4面印刷 | 120,000円 |
| ポスターデザイン | 40,000円 / 枚 |
| 看板セット(買い切り・税込) | 327,800円 |
| 看板・音響フルセット(買い切り・税込) | 438,000円 |
山西が直接担当します。 所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。
この3つを教えていただければ、お見積りをお出しします。
- どの選挙か(市議選/町村議選/首長選 など)
- 告示日と投票日(未定でも構いません)
- 必要なもの(選挙カー1台/看板だけ/音響だけ など)
政治資金の手続きそのものはお受けしていませんが、何にいくらかかるかの全体像はお伝えできます。
2027年春は統一地方選挙です。 資金の準備と並行して、車両の手配も進めてください。
お電話でもフォームでも承ります。ご連絡先はこのページのいちばん下にあります。
\ お気軽にどうぞ /
お電話:080-5457-1641(平日10:00〜18:00/担当:山西)
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