活動の様子をSNSに載せるのは、いまや当たり前になりました。ところが、投稿した本人がまったく気にしていない部分を、相手陣営は必ず見ています。
点字ブロックの上に立っている。信号が赤なのに渡っている。交差点を斜めに横切っている。
どれも一瞬のことです。でも切り抜かれて拡散されると、「ルールを守れない人が、ルールを作る側に立とうとしている」という話にされてしまいます。しかも拡散された先で説明する機会はありません。
この記事では、えらぶカーが撮影に同行するときに、カメラを回す前に確認していることをまとめました。法律違反になるものもあれば、違反ではなくても一発で印象を落とすものもあります。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。この記事も特定の政党・陣営を念頭に置いたものではありません。
なぜ小さなことが致命傷になるのか
政策の議論で相手を崩すのは大変です。マナー違反の動画は、説明がいりません。 見た瞬間に誰でも分かるので、いちばん拡散されやすい種類の批判です。
そして困ったことに、素材を出しているのは自分自身です。自分のアカウントに上げた動画は、保存も切り抜きも自由にされます。削除しても、すでに保存された分は消えません。
だから「撮る前に気づく」しかありません。
歩く・立つ
1. 点字ブロックの上に立たない、物を置かない
駅立ちや街頭演説で、いちばん多い失敗です。立ち位置を探して自然に黄色いブロックの上に立ってしまう。のぼりやビラの箱をその上に置いてしまう。
法律の罰則があるわけではありません。ただ、「弱い立場の人のことを考えていない」と一目で伝わってしまうので、印象の傷は大きいです。スタッフが立つ位置も含めて、最初に足元を見てください。
2. 交差点を斜めに渡らない
道路交通法12条2項で、歩行者は交差点を斜めに横断してはいけないと決まっています(斜め横断ができる、いわゆるスクランブル交差点は別です)。
移動中に急いでいると、つい近道をしてしまいます。移動の様子を撮っているときこそ要注意です。
3. 信号を守る
言うまでもないことですが、実際の動画ではよく映り込んでいます。本人は青で渡っていても、後ろについてきたスタッフが赤で渡っている、というパターンもあります。一緒に映っている人の行動も、候補者の行動として見られます。
4. ちゃんとした場所を歩く
ガードレールをまたぐ、植え込みを突っ切る、車道の端を歩く。近道の一歩が、そのまま批判の材料になります。 遠回りでも横断歩道まで行ってください。
5. 歩きスマホ、路上喫煙、ポイ捨て
路上喫煙は、多くの自治体で条例により禁止区域が決められています。禁止区域の中で吸っている姿が映れば、条例違反の証拠そのものになります。
駅の敷地と公道を間違えない
6. 駅の敷地の中では、演説もビラ配りもしない
これは取り違える人がとても多いところです。
駅前で演説するのは問題ありません。ただし、演説してよいのは公道の上です。 駅の建物の前、改札前の広場、駅前広場の一部は、鉄道会社が管理している敷地であることがあります。
鉄道の敷地の中で、係員の許しを得ずに演説や勧誘をすることは、鉄道営業法35条で禁じられています(罰則は科料)。
実際に、駅前広場の一部を鉄道会社が管理していて、そこでの演説やビラ配りを禁止する看板が立てられた例もあります(JR浦和駅西口。埼玉弁護士会が調査報告を出しています)。
境目の見つけ方:
- 地面に境界を示す金属のプレートや鋲が埋め込まれていることが多い
- 舗装の色や素材が変わるところが境目になっていることがある
- 分からなければ、駅員さんに「ここは駅の敷地ですか」と聞くのがいちばん確実です
公道の上であれば、通行の妨げにならない形での演説やビラ配りは、基本的に許可はいりません。 ただし、台を置く、長時間同じ場所を大きく占める、といった場合は、地元の警察署に確認してください。
7. 商業施設・店舗の敷地も同じ
ショッピングセンターの入口前、コンビニの駐車場なども私有地です。許可なく演説やビラ配りをすれば、施設側から注意を受けます。注意されている場面を撮られるのが、いちばん避けたい展開です。
のぼり
8. ガードレールや柵にのぼりを結ばない
演説のとき、のぼりをガードレールに紐で結んでいる光景はよく見かけます。そしてたまに怒られます。
誰に怒られるのか。 道路を管理している役所(国道なら国、都道府県道なら都道府県、市道なら市区町村)と、警察です。通報するのは近所のお店や住民の方であることが多いです。
何の権利があって、なのか。 根拠は主に3つあります。
| 根拠 | 内容 |
|---|---|
| 道路法 | ガードレールは「道路の附属物」で、道路の一部として道路管理者が管理しています。物を結びつけるのは、管理者の管理物に勝手に手を加えることになります |
| 屋外広告物条例 | 多くの自治体の条例で、歩道柵や駒止めの類(ガードレールもこれにあたります)は、広告物を表示してはいけない「禁止物件」とされています。国のガイドラインにも同じ規定があります |
| 道路交通法 | 歩道の幅を狭めて通行の邪魔になれば、道路に物を置く行為として問題になり得ます |
では「普通はOK」なのか。 演説の間だけ結んで、終わったらすぐ外す。これが大目に見られている場面は、実際には多いです。ただ、黙認されているだけで、許されているわけではありません。 苦情が入れば外すように言われますし、その場面を撮られれば「注意された候補者」になります。
いちばん安全なのは、自立するポールスタンド(水を入れる台など)を使うことです。そのうえで、歩道の幅を狭めない位置に置いてください。
9. 名前入りののぼりは、そもそも街頭で使えない
ガードレールより先に確認してほしいのがこちらです。
候補者本人の名前、または名前が類推できる表示のあるのぼりは、公職選挙法143条16項により、平時の政治活動では道路や街頭で使うことができません。選挙運動期間中も同じです(うるま市選挙管理委員会などが案内しています)。
政党名や政策のスローガンだけののぼりとは扱いが違います。のぼりのデザインを作る段階で、名前を入れていないかを確認してください。
車
10. シートベルトを締める(後部座席も)
後部座席のシートベルトも、道路交通法で着用が義務になっています。車内から撮った動画で、ベルトをしていない姿が映っている例は意外に多いです。
11. 運転中にスマホを持たない、撮らない
運転している本人がスマホで撮影する、画面を見る。これはそのまま道路交通法違反の映像になります。撮るのは助手席や後部座席の人の役目です。
12. 駐車禁止の場所に停めたまま撮らない
選挙カーや自家用車を、駐車禁止の場所や交差点の近くに停めたまま演説や撮影をする。背景に車が映り込むだけで、停め方を指摘されます。
映り込み
13. 子どもが手伝っている姿を映さない
これは印象の問題ではなく、法律の問題です。 18歳未満の人は、選挙運動をすることが禁じられています(公職選挙法137条の2)。ネット上の選挙運動も含みます。
子どもがビラを配っている、のぼりを持っている。ほほえましい場面のつもりでも、選挙運動をさせたと受け取られかねません。 家族の子どもであっても同じです。
14. 通行人の顔、他の候補者のポスター
- 通行人の顔がはっきり映っている動画は、本人から苦情が来ることがあります。特に子どもの顔は、ぼかすか、映らない角度で撮ってください
- 背景に他の候補者のポスターが映っていると、意図しない比較やからかいの材料にされます
時と場合
15. 投稿するタイミングを考える
- 議会の会期中に、平日の昼間の私的な投稿をする
- 災害や大きな事故の直後に、のんきな投稿や宣伝をする
内容に問題がなくても、「いつ投稿したか」だけで批判されます。 予約投稿を入れている場合は、何か起きたときにすぐ止められるようにしておいてください。
よくある質問
Q. 自分では撮っていない、支援者が撮った動画でも問題になりますか?
なります。誰が撮ったかは関係なく、映っているのは候補者本人です。支援者が投稿した動画が拡散されることもあるので、支援者にもこの記事のような注意点を共有しておいてください。
Q. 過去の投稿に問題があったら、消したほうがいいですか?
法律違反にあたる内容なら、すぐに削除してください。ただし、削除しても保存・スクリーンショットされたものは残ります。 指摘を受けたら、言い訳より先に「気をつけます」と一言添えるほうが、印象の傷は小さくなります。
Q. 政治活動の動画で、演説の許可は必要ですか?
公道で、通行の妨げにならない形で話すなら、基本的に許可はいりません。駅や商業施設の敷地の中では、管理者の許可が必要です。台を置く、長時間同じ場所を占める場合は、地元の警察署に確認してください。
撮る前の確認リスト
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| 立ち位置 | 足元に点字ブロックはないか。駅や店の敷地ではないか |
| のぼり | 名前が入っていないか。ガードレールに結んでいないか。歩道を狭めていないか |
| 移動 | 信号・横断歩道を守っているか。斜めに渡っていないか |
| 車 | シートベルト。運転中にスマホを持っていないか。停めている場所 |
| 人 | 子どもが手伝っていないか。通行人の顔が映っていないか |
| 背景 | 他の候補者のポスター。路上喫煙の禁止区域 |
| 投稿時刻 | 会期中ではないか。直前に災害や事故はないか |
撮る人が見ていれば、防げる
ここに挙げたことの多くは、本人が話すことに集中しているから起きるものです。演説している本人が、足元や背景まで気にするのは無理があります。
えらぶカーでは、撮影に同行するカメラマンが撮る前に立ち位置と背景を確認しています。編集の段階でも、映り込みを見てから仕上げます。「これまでの投稿に問題がないか見てほしい」というご相談もお受けします。
出典
- 埼玉弁護士会「JR東日本浦和駅西口駅前広場における表現活動の規制」 https://www.saiben.or.jp/proclamation/entry_img/20150327_JR_urawanishiguchi.pdf
- 国土交通省「屋外広告物条例ガイドライン」 https://www.mlit.go.jp/common/001129901.pdf
- うるま市「政治活動用ポスター、のぼり等の掲示規制について」 https://www.city.uruma.lg.jp/5001001000/contents/25206.html
SNS運用・動画制作・Web制作も承っています
えらぶカーでは、車両のレンタルだけでなく、政治家の方向けのSNS運用・動画制作・Web制作もお受けしています。選挙カーのご利用に関わらず、単体でご依頼いただけます。 制作から運用のご相談まで、山西が直接担当します。外注に丸投げはしません。
| サービス | 料金(税別) |
|---|---|
| 撮影(カメラマン同行) | 40,000円 / 日 |
| 動画の編集 | 20,000円 / 本 |
| 撮影+編集5本(最小構成) | 140,000円〜 |
| SNSコンサルティング(1日訪問) | 40,000円 |
| ポスターデザイン | 40,000円 / 枚 |
| Web制作(LP形式) | 198,000円〜 |
交通費は実費精算です。議会や国会に伺っての撮影代行も承っています。サイトに何を載せるかは政治家のホームページに何を載せるべきかにまとめました。サービスの詳細は政治家・候補者のSNS運用支援、詳しい料金は料金ページをご覧ください。
有権者名簿の一元管理などのツールについては、提携先の当選・再選へGO!をご紹介しています。
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| プラン | 料金 |
|---|---|
| 選挙期間プラン | 公費+198,000円〜(時期により変動) |
| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
| 看板セット(買い切り・税込) | 327,800円 |
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