LINEを選挙運動に使えることは、前回の記事で整理しました。ではその上で、実際にどう頼めばいいのか。
市議選なら7日間、町村議選なら5日間しかありません。この短さが、LINE運用のすべてを決めます。 思いついたときに送る、では間に合わないのです。
この記事では、告示日から前日までの組み立て方と、そのまま使える文例をまとめます。
その前に、越えてはいけない線が3つあります
実務の話に入る前に、ここだけは押さえてください。知らずに踏むと、選挙そのものが飛びます。
1. 有料広告は出せません
候補者個人は、有料のインターネット広告を出せません(公職選挙法142条の6)。LINE広告もMeta広告もX広告も同じで、選挙運動用かどうかを問わず、選挙期間中に候補者名を含む有料広告を出した時点で違反です。
罰則は2年以下の禁錮または50万円以下の罰金、そして公民権停止。当選しても失う可能性があります。
例外は政党等で、政党の選挙運動サイトへ直結するバナー広告に限って認められています(142条の6第4項)。個人としては使えないと考えてください。
「LINE公式アカウントの友だちを増やしたいから広告を回そう」は、いちばんやりがちで、いちばん重い間違いです。
2. お礼を渡してはいけません
拡散してくれた支援者に、現金はもちろん、商品券や品物、飲食の提供も渡せません。 買収にあたります。
「手伝ってくれたから打ち上げでご馳走する」も、選挙運動の対価と見られれば同じです。感謝は言葉で伝えてください。
3. 18歳未満に頼んではいけません
18歳未満の人は選挙運動ができません。 LINEでの呼びかけも、リポストも、すべて対象です。
若い支援者ほどLINEを使いこなしますが、年齢の確認を最初にしてください。 候補者本人のお子さんが親の投稿をシェアする、というのもよくある違反です。
7日間をどう割るか
選挙期間は短く、しかも後半になるほど有権者の関心は上がります。同じ内容を7日間送り続けるのではなく、日ごとに役割を変えるのが基本です。
| 時期 | 送る相手 | 伝えること |
|---|---|---|
| 告示日 | 一次の支援者(直接の知り合い) | 出馬の報告と、応援のお願い |
| 2〜3日目 | 一次の支援者 | 「1人だけ」転送のお願い |
| 中盤 | 反応があった人 | 政策のうち1つだけ、深く |
| 終盤 | 全体 | 投票日・投票所・期日前投票の情報 |
| 前日 | 全体 | 最後のお願い(短く) |
投票日当日は送らないでください。 当日の選挙運動は禁止されています。前日までの投稿を消す必要はありませんが、新しく呼びかけるのは違反です。
誰に頼むか
いちばん大事なところです。LINEは「知っている人」に届く道具であって、知らない人に広げる道具ではありません。ここを取り違えると空回りします。
だから最初に頼むのは、候補者本人が顔と名前を一致させられる人に限ります。同級生、前職の同僚、地域の集まりで会う人、子どもの学校で顔を合わせる人。この一次の層をどれだけ丁寧に回せるかで、二次に広がるかどうかが決まります。
名簿を買う、知らないIDに送る、といった方法は、公選法以前に嫌われます。選挙は信用の商売なので、嫌われ方のコストが極端に高いと考えてください。
「拡散してください」は動きません
陣営がいちばん送りがちで、いちばん効かないのがこの一言です。
理由は単純で、受け取った人が何をすればいいか分からないからです。誰に送るのか、何を書くのか、いつまでにやるのか。全部が相手任せになっていると、人は動きません。
効くのは、具体的で、小さいお願いです。
✕ 「ぜひ拡散をお願いします!」
◯ 「もしよければ、ご家族かご友人1人だけに、この文をそのまま転送していただけませんか」
「1人だけ」と数を区切り、「この文をそのまま」と作業をゼロにする。この2つで反応がまるで変わります。人は「考える」のが面倒なのであって、「送る」のは面倒ではないのです。
そのまま使える文例
陣営が作るべきは、支援者がコピーして送れる完成品です。「よろしくお願いします」だけ渡しても、支援者は文章を考える時間がありません。○○△△□□の部分は、実際のお名前・地名・政策に置き換えてお使いください。
① 告示日|一次の支援者へ(候補者本人から)
ご無沙汰しております、○○です。 このたび、○月○日告示の△△市議会議員選挙に 立候補いたしました。 □□(政策を1つだけ)を実現したくて、 思い切って決めました。 投票日は○月○日です。 お力添えいただけましたら、大変ありがたいです。 突然のご連絡、失礼いたしました。
政策は1つだけにしてください。 3つ書くと、1つも残りません。
② 2〜3日目|転送をお願いする(候補者本人から)
先日はありがとうございました。 もし差し支えなければ、ご家族かご友人を おひとりだけ思い浮かべて、 下の文をそのまま送っていただけませんか。 ──────────── 友人の○○さんが、△△市議選に出ています。 □□に取り組みたいそうです。 投票日は○月○日、投票所は△△です。 よければ見てみてください。 (候補者のページURL) ──────────── 無理のない範囲で構いません。
転送用の文は、支援者の言葉で書くのがポイントです。候補者本人の文章をそのまま回しても、受け取った側には広告に見えます。「友人の○○さんが」で始まるだけで、届き方が変わります。
③ 終盤|投票の実務情報(全体へ)
○○です。いよいよ○月○日が投票日です。 【投票所】△△小学校 体育館 【時間】7:00〜20:00 【期日前投票】○月○日まで、△△市役所 1階 (こちらは20:00まで、土日も可) 当日ご都合が悪い方は、期日前投票が便利です。 お時間があれば、ぜひ足をお運びください。
終盤にいちばん効くのは、政策ではなく投票所の情報です。「入れたいけれど、どこに行けばいいか分からない」で終わる票が、実際にあります。
送る側の実務メモ
一斉配信より、個別送信のほうが読まれます。 手間はかかりますが、LINEは友人との連絡に使う場所なので、宛先が自分ひとりだと分かる文のほうが届きます。少なくとも一次の支援者には、名前を入れて個別に送ってください。
連投はしないでください。 短期間に何度も届くと、ブロックされます。ブロックは一度されると戻せません。7日間で3〜4回を上限の目安にしてください。
深夜と早朝は避けます。 公選法の時間制限(午前8時〜午後8時)は選挙運動用自動車や街頭演説の話で、LINEに直接かかるものではありませんが、常識として同じ時間帯に合わせるのが無難です。夜中に届く選挙のお願いは、それだけで印象を損ないます。
やってはいけないことの一覧
| 行為 | 判定 |
|---|---|
| LINE広告・SNS広告を出す | 違反(142条の6・公民権停止あり) |
| 拡散のお礼に品物や飲食を渡す | 違反(買収) |
| 18歳未満に手伝ってもらう | 違反 |
| 候補者からのメールを転送してもらう | 違反(2027年2月まで) |
| SMSで投票を呼びかけてもらう | 違反(2027年2月まで) |
| 告示日より前に投票を依頼する | 違反(事前運動) |
| 投票日当日に投票を呼びかける | 違反 |
| 名簿を買って知らない人に送る | 公選法以前に信用を損ないます |
メールとSMSの2つは、2027年3月1日の法改正で規制が撤廃されます。 ただしそれまでは現行ルールです。詳しくは2027年3月から選挙のネット運用が変わるをご覧ください。
よくある質問
Q. LINE公式アカウントと個人アカウント、どちらを使うべきですか?
一次の支援者には個人アカウントから個別に、二次以降には公式アカウントという使い分けが現実的です。公式アカウントの立ち上げ方はLINE公式アカウントの立ち上げから運用体制までにまとめています。
Q. LINE公式アカウントの利用料は、選挙運動費用になりますか?
選挙運動のために支出した費用は、選挙運動費用収支報告書に記載する必要があります。 有料プランを選挙期間中に使う場合は、出納責任者と相談してください。判断に迷う支出は、事前に選挙管理委員会に確認するのが確実です。
Q. スタッフが候補者の名前でLINEを送るのは問題ありませんか?
候補者名義での発信を第三者が行うことについては、なりすましと見られるリスクがあります(公選法235条の5)。陣営内での代行であっても、誰が書いているのかが分かる運用にしておくほうが安全です。
Q. グループLINEに送るのはどうですか?
ウェブサイト等にあたるため、選挙期間中であれば可能です。ただし仕事や趣味のグループに政治の話を持ち込むと、関係そのものを損ないます。 送る前に、その場の性質を考えてください。
Q. 返信がない人に、もう一度送ってもいいですか?
1回までにしてください。 反応がないのは意思表示です。追いかけるほど印象が悪くなります。
Q. 支援者が間違った内容を書いて送ってしまいました。
すぐに訂正を出してください。 陣営から支援者へ「この内容は誤りでした」と連絡し、受け取った方に訂正を送ってもらいます。放置すると、虚偽事項の公表と見られるおそれがあります。
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| サービス | 料金(税別) |
|---|---|
| 撮影(カメラマン同行) | 40,000円 / 日 |
| 動画の編集 | 20,000円 / 本 |
| 撮影+編集5本(最小構成) | 140,000円〜 |
| SNSコンサルティング(1日訪問) | 40,000円 |
| ポスターデザイン | 40,000円 / 枚 |
| Web制作(LP形式) | 198,000円〜 |
交通費は実費精算です。議会や国会に伺っての撮影代行も承っています。サイトに何を載せるかは政治家のホームページに何を載せるべきかにまとめました。サービスの詳細は政治家・候補者のSNS運用支援、詳しい料金は料金ページをご覧ください。
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この3つを教えていただければ、お見積りをお出しします
1. どの選挙か(市議選/町村議選/首長選 など) 2. 告示日と投票日(未定でも構いません) 3. 必要なもの(選挙カー1台/看板だけ/音響だけ など)
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|---|---|
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| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
| 看板セット(買い切り・税込) | 327,800円 |
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