選挙期間中に候補者が選挙運動のために配れるチラシは、原則として公職選挙法142条で決められた「選挙運動用ビラ」(いわゆる法定ビラ)だけです(選挙はがきなどは別の制度で認められています)。地方議員の選挙でも、2019年から都道府県議会・市区議会の選挙で、2020年12月からは町村議会の選挙でも配れるようになりました。ただし、枚数・大きさ・種類・配る場所がすべて決まっていて、選挙管理委員会が交付する証紙を1枚ずつ貼らなければなりません。この記事では、法定ビラのルール、公費負担の仕組み、告示までの準備をまとめます。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。この記事も特定の政党・陣営を念頭に置いたものではありません。公費負担の有無や手続きは自治体の条例で決まっているので、選挙管理委員会の説明会や手引きで確認してください。
結論:法定ビラは「枚数と配る場所」が決まっている
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 配れる期間 | 立候補の届出から投票日の前日まで |
| 種類 | 選挙管理委員会に届け出た2種類以内 |
| 大きさ | A4(縦29.7cm×横21cm)以内 |
| 証紙 | 選挙管理委員会が交付する証紙を、1枚ずつ貼る |
| 表示 | 頒布責任者と印刷者の氏名(名称)・住所を記載する |
| 配れる場所 | 新聞折込み、選挙事務所の中、個人演説会の会場の中、街頭演説の場所 |
| 公費負担 | 条例がある自治体では、上限の範囲内で実際にかかった作成費を公費で負担 |
いちばん間違えやすいのは配る場所です。ポスティング(家のポストに入れる)や、街頭演説をしていない場所での手配りはできません。
選挙ごとの枚数の上限
| 選挙 | ビラの枚数の上限 |
|---|---|
| 都道府県議会議員 | 16,000枚 |
| 指定都市の議会議員 | 8,000枚 |
| 市区議会議員(指定都市以外) | 4,000枚 |
| 町村議会議員 | 1,600枚 |
| 指定都市の市長 | 70,000枚 |
| 市区長(指定都市以外) | 16,000枚 |
| 町村長 | 5,000枚 |
都道府県知事の選挙は、その都道府県の衆議院小選挙区の数に応じて枚数が決まります(10万枚に、小選挙区が1増えるごとに1万5,000枚を加え、最大30万枚)。ビラは、見本を添えて選挙管理委員会に届け出た2種類以内に限られ、2種類を作る場合も枚数は合計でこの上限までです。選挙期間中に内容を大きく変えて、実質的に3種類目のビラを追加することはできません。届出の書類は、立候補の届出の前の事前審査で確認しておきましょう。
配れる場所と、配れない場所
法定ビラを配れるのは、次の4つの方法に限られます。
- 新聞折込み:新聞販売店に依頼して、新聞に折り込んで届けます。地域を選んで配れるので、多くの候補者が使う方法です
- 選挙事務所の中:事務所に来た人に手渡します
- 個人演説会の会場の中:演説会に来た人に配ります
- 街頭演説の場所:標旗を掲げて街頭演説をしている場所で、聞いている人や通行する人に配ります
反対に、ポスティング、戸別の配布、街頭演説をしていない駅前での手配り、選挙カーから走りながら配ることはできません。運動員が「少しでも多く配りたい」と考えて、演説が終わったあとも配り続けてしまうことがあるので、配る場面を事前に全員で共有しておきましょう。
証紙と表示のルール
法定ビラには、選挙管理委員会が交付する証紙を貼らなければなりません。証紙は立候補の届出のあとに交付されるのが一般的で、配るすべてのビラに1枚ずつ貼る作業が必要です。証紙のないビラは、ほかの要件を満たしていても配れません。貼る位置に全国一律の決まりはありませんが、必要な表示を隠さないようにします。4,000枚でも、数人で数時間はかかります。新聞折込みに出す日から逆算して、証紙貼りの人手と場所を確保しておきます。
また、ビラの表面には、頒布責任者と印刷者の氏名(法人の場合は名称)と住所を記載しなければなりません。印刷会社に依頼する場合は、デザインの段階で入れてもらうよう伝えておきます。
公費負担の仕組み
法定ビラの作成費は、自治体が条例を定めている場合、公費で負担されます(公営)。対象になるのは、条例で定める上限の範囲内で、実際にかかった作成費です。国の基準の単価は、2025年6月の政令改正で、作成枚数5万枚以下の部分について1枚8円38銭に引き上げられ、多くの自治体が条例を改正してこれに合わせています(5万枚を超える部分は単価が違います)。この単価の条例が適用される市議会議員選挙で4,000枚を作った場合、公費負担の上限は33,520円です。実際の単価が上限より安ければ、その実費が対象になります。新聞折込みの費用や、証紙を貼る人件費は対象外です。
公費負担を受けるには、印刷会社と有償の契約を結び、契約書の写しを添えた契約の届出(告示前に契約した場合は、立候補の届出のときに出すのが一般的)、作成枚数の確認の申請、選挙管理委員会から交付される確認書の印刷会社への提出などの手続きが必要です。選挙後は候補者が作成証明書を印刷会社に渡し、原則として印刷会社が自治体に請求します。候補者が一度全額を払ってあとから戻ってくる仕組みではありません。また、得票が供託金没収点に届かなかった場合は、公費負担の対象外になります(供託金は返ってくるのか)。単価の上限は自治体によって改正の時期が違うので、立候補する自治体の条例で確認してください。公費負担全体については選挙カーの公費負担はいくら?も参考にしてください。
告示前のビラとの違い
平時の政治活動として配っている活動報告や議会報告のビラは、法定ビラとは別のものです。告示のあとは、告示前に作った活動報告のビラであっても、選挙運動のために配れば公職選挙法の文書図画の頒布の制限の対象になります。配り続けてよいかどうかは、内容・目的・配り方によって判断されるので、告示前に平時のビラの配布計画を整理し、必要に応じて選挙管理委員会に確認しておきましょう。配布を手伝ってくれている支援者にも、告示後の扱いを伝えておきます。
読まれる法定ビラの作り方
- 表面で名前と一言を伝える:新聞折込みでは、ほかのチラシと一緒に届きます。表面の上半分で、名前、写真、何をしたい人かが分かるようにします
- 裏面で政策と実績:政策は3つ程度に絞り、具体的に書きます。現職は数字で示せる実績を、新人は地域との関わりや立候補の理由を入れます
- ポスター・選挙公報とそろえる:写真、キャッチコピー、色づかいをそろえると、「あのポスターの人だ」とつながります(選挙公報の書き方)
- 2種類の使い分け:届け出た2種類の範囲で、新聞折込み用と、街頭演説で手渡す用で内容を変える方法もあります。手渡す用は、受け取った人がその場で読み切れる分量にします
- 書いてはいけないこと:経歴の虚偽や、他の候補者についての虚偽は、公職選挙法の虚偽事項公表罪にあたるおそれがあります
告示までのスケジュール
| 時期 | やること |
|---|---|
| 告示の2〜3か月前 | 立候補予定者説明会で、公費負担の手続き・様式を確認する |
| 告示の1〜2か月前 | デザインを作り、印刷会社と契約する。新聞販売店に折込みの日程・地域・部数を相談する |
| 告示の前 | 印刷を終える。ビラの届出や契約の届出の書類を、事前審査で確認しておく |
| 告示日(届出のとき) | ビラの届出、契約の届出、作成枚数の確認の申請などをする |
| 告示日以降 | 証紙の交付を受けて貼る。新聞折込みの販売店に納品する |
| 選挙後 | 作成証明書を印刷会社に渡し、印刷会社が自治体に請求する |
新聞折込みは、販売店への納品から実際に折り込まれるまでに日数がかかります。選挙期間の前半に届くように、納品日を販売店と早めに決めておきましょう。
よくある質問
Q. ビラを家のポストに入れてもいいですか?
できません。法定ビラを配れるのは、新聞折込み、選挙事務所の中、個人演説会の会場の中、街頭演説の場所に限られます。
Q. 証紙を貼っていないビラを配ってしまったら?
証紙のないビラは法定ビラとして認められず、文書図画の頒布の制限に違反するおそれがあります。気づいたらすぐに配布を止め、選挙管理委員会に相談してください。
Q. 2種類のビラの枚数は、それぞれ上限まで作れますか?
いいえ。枚数の上限は、2種類の合計です。たとえば市議会議員選挙なら、2種類合わせて4,000枚までです。
まとめ
- 選挙期間中に選挙運動で配れるチラシは、原則として法定ビラだけ。届け出た2種類以内、A4以内
- 枚数の上限は選挙ごとに決まっている(市議選は4,000枚、町村議選は1,600枚など)
- 配れるのは新聞折込み、選挙事務所、個人演説会場、街頭演説の場所だけ。ポスティングは不可
- 証紙を1枚ずつ貼る。頒布責任者と印刷者の氏名・住所を記載する
- 公費負担は上限の範囲内の実費(国の基準の単価は1枚8円38銭)。契約・届出・確認の手続きが必要
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えらぶカーは、東京・大森で選挙カー・街宣車のレンタルと販売を行っています。法定ビラを配れる街頭演説の場所まで、選挙カーで移動して、止まって演説し、ビラを手渡す。この流れを組み立てるお手伝いもしています。
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| プラン | 料金 |
|---|---|
| 2027年統一地方選挙(軽バン1台・1選挙) | 370,000円〜(税別) |
| 選挙期間プラン(統一選以外) | 公費+198,000円〜(時期により変動) |
| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
| 看板セット(買い切り・税込) | 327,800円 |
| 看板・音響フルセット(買い切り・税込) | 438,000円 |
2027年春は統一地方選挙です。 全国で車両の手配が重なりますので、日程が見えた段階でのご連絡をおすすめします。統一地方選の事前予約は統一地方選 予約受付ページをご覧ください。
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