「無所属で出るべきか、どこかの公認をもらうべきか」
出馬を決めた方から、供託金と並んでよくいただくご相談です。
先にお伝えしておくと、この質問の答えは、出る選挙によって変わります。 市議選と市長選では、公認の持つ意味がまったく違うからです。
そして意外に知られていないのですが、市議会議員選挙では、公認による選挙運動上の上乗せが、ほとんどありません。
この記事では、その仕組みを整理します。どの党が公認を出しやすいか、という話は扱いません。 党・地域・時期・現職の有無で変わるものですし、断定できる性質のものではないためです。
まず、数字を見てください
市区町村議会議員 28,940人のうち、無所属は19,884人。全体の68.7%です(総務省、令和6年12月31日現在)。
7割が無所属ということです。
「公認をもらわないと戦えない」というのは、少なくとも市区町村議会の選挙では事実と違います。
公認・推薦・支持の違い
言葉の整理からです。
| 意味 | |
|---|---|
| 公認 | その政党の候補者として正式に認定する |
| 推薦 | 党の候補者ではないが、党として応援する |
| 支持 | 応援する立場を表明するにとどまる |
下にいくほど関係が薄くなります。
公認は「党の名前を背負う」ことです。届出の際に所属党派証明書を提出し、選挙公報や投票所の掲示にも党名が載ります。
推薦・支持は、候補者自身は無所属のままです。現職の首長が複数の党から推薦を受ける、という形はよく見かけます。
公認で本当に変わるのは「量」です
イメージの問題だけではありません。公認になると、選挙運動の総量が変わる場合があります。
その正体が確認団体という制度です。
確認団体とは
選挙の期間中、政党その他の政治団体は、原則として政治活動ができなくなります。 候補者の選挙運動に紛れてしまうためです。
ただし、一定の要件を満たして選挙管理委員会に届け出て「確認書」の交付を受けた団体は、決められた範囲で政治活動を続けられます。これが確認団体です。
確認団体ができること
| 内容 | 制限の例 |
|---|---|
| 政治活動用自動車 | 1台 |
| ポスターの掲示 | 市区長選で1,000枚以内など |
| ビラの頒布 | 2種類以内 |
| 政談演説会・街頭政談演説 | 可 |
| 立札・看板の掲示 | 可 |
注目していただきたいのは、自動車です。
候補者本人の選挙運動用自動車が1台。そこに、確認団体の政治活動用自動車がもう1台加わります。 車が2台走るということです。
これが、公認の実務上いちばん大きな差だとお考えください。
※数量は選挙の種類と自治体によって異なります。必ず管轄の選挙管理委員会にご確認ください。
ところが、市議選には確認団体がありません
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
確認団体の制度がある選挙と、ない選挙があります。

| 確認団体 | |
|---|---|
| 参議院議員選挙 | あり |
| 都道府県知事選挙 | あり |
| 都道府県議会議員選挙 | あり |
| 市区長選挙 | あり |
| 指定都市の議会議員選挙 | あり |
| 一般の市議会議員選挙 | ありません |
| 町村議会議員選挙・町村長選挙 | ありません |
大分県日田市の選挙管理委員会の資料には、市議会議員選挙について「確認団体制度はありません」と明記されています。この期間、政党の政治活動は原則として禁止されます。
つまり市議選では、公認をもらっても、政党が別枠で車を出すことはできません。
候補者が使えるのは、選挙運動用自動車1台。無所属の候補者とまったく同じ条件です。
市議選で公認が意味を持つのは、どこか
選挙運動の「量」では差がつきません。差がつくのは、それ以外の部分です。
投票用紙に書かれる前の段階、つまり認知の部分です。党名が選挙公報に載る。有権者が「あの党の人か」と判断材料にする。党の支持層が票を入れる。
そして、告示前の政治活動です。 街で見かける2連・3連ポスターは、政党や政治団体が主催する演説会の告知という形をとっています。党との関係がなければ、この形は使えません。仕組みは選挙でもないのに、なぜ街に政治家のポスターが貼ってあるのかにまとめました。
公認の効き目は、選挙が始まる前にほとんど発揮されるとお考えいただくのが実態に近いと思います。
首長選では、話がまったく変わります
一方、市区長選挙・知事選挙には確認団体があります。
推薦を受ければ、その党が確認団体として車を1台出し、ポスターを1,000枚貼り、ビラを配り、演説会を開けます。
首長選は1人しか当選しません。供託金の没収ラインも有効投票の10分の1と、議員選より桁が上です。戦いの規模が違うぶん、政党の支援が効きます。
同じ「公認を取るべきか」という問いでも、市議選と市長選では答えが違うのは、この制度差があるからです。
地上戦と空中戦のどちらが届いているかは、ドブ板選挙と空中戦で調査データをもとに整理しました。
公認が取れない、取らないとき
新人の方から、こういうご相談をよくいただきます。
「どこの公認も取れそうにない」
「どこにも属したくない」
市議選に限れば、選挙運動の条件は変わりません。 7割が無所属という数字のとおりです。
ただし、代わりに自分で用意するものがあります。
名前を知ってもらう手段が、全部自前になります。 党の看板がないぶん、顔と名前と、何をやりたいのかを、自分で届けることになります。
| 無所属で必要になるもの | 理由 |
|---|---|
| 選挙カー | 名前を連呼できる唯一の手段 |
| 看板 | 走っている間ずっと見られる |
| ポスター | 告示前から名前を置ける |
| ホームページ | 検索されたときの受け皿 |
| SNS | 党の代わりに、自分で発信する |
公認候補は、党がこの一部を肩代わりしてくれます。 無所属はそれがありません。だからこそ、ここに使うお金の意味が変わります。
ホームページに何を載せるかは政治家のホームページに何を載せるべきかをご覧ください。
よくある質問
Q. 公認をもらうには、どこに申し込むのですか?
一般的には、その党の都道府県連や支部を通じて申請し、党本部が決定します。 ただし手続きも時期も党によって異なりますので、関心のある党の地元組織に直接お問い合わせください。 ネットの情報より確実です。
Q. 公認をもらうと、お金は出ますか?
党によります。 公認料や活動費を支給する党もあれば、逆に党費や負担金を求められる場合もあります。もらえる前提で予算を組まないでください。
Q. 推薦と公認、どちらが有利ですか?
選挙によります。 首長選では、複数の党から推薦を受けて幅広く支持を集める形が有効に働くことがあります。一方、議員選では党の支持層をまとめる公認が効く場合があります。一概には言えません。
Q. 途中で党を移ったり、無所属になったりできますか?
できますが、届出後の所属党派の変更には制約があります。 具体的な扱いは選挙管理委員会にご確認ください。
Q. 確認団体は、自分で作れますか?
要件があります。 所属国会議員の数や、直近の国政選挙での得票率などが基準になります。個人の後援会が名乗れるものではありません。
Q. 公認がないと、選挙カーは借りられませんか?
関係ありません。 車両のレンタルも、看板の製作も、所属とは無関係です。えらぶカーでは無所属の方のご依頼も、党の公認候補の方のご依頼も、同じようにお受けしています。
選挙カー・看板のご相談を承っています
えらぶカーは、東京・大森を拠点に、選挙カー・街宣車のレンタルと販売を行っています。全国対応です。
| プラン | 料金(税別) |
|---|---|
| 選挙期間プラン | 公費+198,000円〜(時期により変動) |
| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
| 看板デザイン+4面印刷 | 120,000円 |
| ポスターデザイン | 40,000円 / 枚 |
| 看板セット(買い切り・税込) | 327,800円 |
| 看板・音響フルセット(買い切り・税込) | 438,000円 |
山西が直接担当します。 所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。
この3つを教えていただければ、お見積りをお出しします。
- どの選挙か(市議選/町村議選/首長選 など)
- 告示日と投票日(未定でも構いません)
- 必要なもの(選挙カー1台/看板だけ/音響だけ など)
首長選で、確認団体の車も必要な場合はお申し付けください。 候補者の選挙運動用自動車と、政治活動用自動車は別の車になります。
2027年春は統一地方選挙です。 公認の話が固まるのを待っていると、車両の手配が間に合わないことがあります。並行して進めてください。
お電話でもフォームでも承ります。ご連絡先はこのページのいちばん下にあります。
2027年4月は統一地方選挙です。 全国で同時に需要が重なるため、車両の確保がいちばん難しい時期になります。えらぶカーでは事前予約を受け付けています。