選挙期間中、すべての日が晴天とは限りません。雨の日であっても、限られた選挙期間を無駄にしないために活動を続ける判断をする場合が多いとされています。しかし、雨の日には晴れの日とは異なる注意点や対策が必要です。本記事では、雨天時の選挙カー運用のポイントを解説します。
雨の日も選挙カーは走れる
公職選挙法上、雨天であることを理由に選挙カーの運行が禁止されることはありません。ただし、安全性の確保を最優先に、状況を判断することが重要です。
大雨・暴風雨・台風などの場合は、ドライバーや同乗者の安全を守るために走行を中止・短縮する判断も必要になります。
雨天走行時の音響機器への影響
雨は選挙カーの音響機器(スピーカー・マイク・アンプ等)に悪影響を与えることがあります。
- 外部スピーカー: 防水性能を確認しておく。雨水が浸入すると故障の原因になる
- マイク: 雨天で使用できるマイクカバー(ウインドスクリーン等)や防滴仕様の機材を使用する
- アンプ: 車内設置が基本。直接雨水がかかる場所に設置しない
- ケーブル接続部: 水の浸入を防ぐ処理(防水テープ等)を施す
雨の日の選挙カー運用で注意したいポイント
視界・路面への注意
- 雨天時は視界が悪くなるため、速度を落として安全確認を徹底する
- 濡れた路面はブレーキが効きにくくなる場合があるため、車間距離を十分に取る
- 傘をさした歩行者は死角になりやすいため、住宅街などの狭い道路では普段以上の徐行を心がける
- ワイパーの動作確認を事前に行う
マイクアナウンスの工夫
雨の日は住宅の窓が閉め切られていることが多く、雨音で外の音も届きにくくなります。以下のような工夫を取り入れると印象が変わります。
- 気遣いの言葉を入れる: 「雨でお足元の悪いなか、失礼いたします」といった、有権者を気遣うフレーズを冒頭に添えると、単なる呼びかけよりも好印象につながりやすくなります
- 速度をさらに落とす: 傘をさしている有権者は視線が下を向きがちです。普段よりゆっくり走行することで、候補者の姿や看板に気づいてもらいやすくなります
- 激しい雨音の中では声が聞こえにくくなります。音量を上げるだけでなく、話す速度を落としてゆっくり・はっきり発声する方が聞き取りやすくなります。アナウンスの内容もシンプルにしましょう
候補者の体調管理
雨の中での演説は候補者にとっても体力を消耗します。傘や雨具を用意し、体が濡れないよう配慮することが重要です。選挙期間中の体調管理は選挙活動の継続に直結します。
雨の日の活動戦略
屋根のある場所(管理者の許可が得られる場所)を活用する
商業施設の軒下、駅前広場、アーケード商店街の端など、雨宿りができる場所での演説は有権者に足を止めてもらいやすいという面もあります。雨宿りや信号待ちで足が止まっている有権者は、証紙ビラ(選挙運動用のチラシ)を受け取ってもらいやすい傾向もあります。
ただし、私有地・商業施設の敷地・JRや私鉄の駅構内・駅前広場などは、管理者(施設側や自治体)の許可が必要なケースが非常に多いため注意してください。 「屋根があって都合が良さそう」というだけで無許可に立ち入ることのないよう、事前に管理者へ確認したうえで演説場所を選定しましょう。
事務所からの電話作戦への切り替え
激しい雨天時は、選挙カーでの走行を短縮し、選挙事務所内での電話作戦(支持者への連絡)に活動をシフトする方法も有効です。
【重要】 なお、選挙運動のための「戸別訪問」(有権者の家を一軒ずつ訪ね歩くこと)は、公職選挙法第138条により全面的に禁止されており、例外はありません。雨天時の代替活動として戸別訪問を選択肢に入れることはできませんので、電話作戦や事務所内での作業に絞って計画してください。
事務所内での作業を進める
雨天を利用して、スタッフミーティング・選挙活動の振り返り・資料作成などの事務作業を進めることも有効な選択肢です。
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看板の雨対策
走行中に雨を受ける看板(ターポリン)は、事前に雨への対策を施しておくことが重要です。
- ターポリン素材の看板は一般的に耐水性がありますが、印刷方法によっては長時間の豪雨で色落ち・劣化する場合があります
- 水分を吸うと看板の重量が増し、風の抵抗も強く受けるようになります。取り付け箇所の固定が緩んでいると、雨と風の影響で看板が外れるリスクがあります
- 走行前に固定状況(紐・ボルト等)を確認する習慣をつけましょう
車内の雨対策
車内への雨水の浸入を防ぐために、以下の点を確認しておきましょう。
- 窓の閉め忘れがないか
- ドアのゴムパッキンに劣化がないか
- 荷室の音響機器が雨水から守られているか
レンタル車両の場合、車内に雨水が入り込んで機器が損傷した場合、修繕費用が発生することがあります。注意してください。
軽バンなら濡れモノの収納・車内での着替えもスムーズ
雨の日は、濡れたカッパやのぼり旗、傘などの「濡れモノ」が車内に増えます。大型のセダンやミニバンタイプの選挙カーでは、こうした濡れた荷物の置き場に困り、車内が水浸しになりがちですが、軽バンは後部座席や荷室がフラットで広く使えるため、濡れた装備をまとめて収容しやすく、候補者やスタッフが車内で雨具を着替えるスペースとしても活用しやすいという利点があります。
雨天中止の判断基準の目安
以下のような状況では、走行の中止・短縮を検討することが一般的です。
- 大雨・洪水警報が発令されている
- 台風の接近・通過が予報されている
- ドライバーが安全に運転できないと判断している
- 候補者・スタッフの体調が優れない
安全を最優先に、無理をしない判断が重要です。
よくある質問
Q. 雨の日に選挙カーを走らせることで有権者に好印象を与えられますか? 雨天でも活動を続ける姿勢を評価する人もいれば、安全面を重視して無理をしてほしくないと感じる人もおり、受け止め方は有権者によって異なります。無理のない範囲で、安全を最優先に活動することが大切です。
Q. 選挙カーの音響機器が雨で壊れた場合、レンタル業者への責任はどうなりますか? 雨対策が不十分だったことによる機器の損傷は、契約内容によっては修繕費用などを借り手側が負担する場合があります。事前に業者にレンタル契約の内容を確認しておくことをおすすめします。
Q. 雨天時でも大音量でアナウンスしても問題ありませんか? 雨音で聞こえにくくなるからといって大音量にしすぎると、近隣への迷惑となる場合があります。適切な音量を心がけてください。
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