選挙が近づくと「選挙のお手伝い、日当あり」という募集を見かけます。
一方で、選挙運動に報酬を払うと買収になるという話も聞きます。矛盾しているように見えますが、どちらも正しいのです。
この記事では、なぜウグイス嬢にはお金を払えるのか、その仕組みを整理します。
原則は「無報酬」です
まず押さえていただきたいのは、選挙運動は自発的・奉仕的に行うもので、対価として報酬を受け取ってはいけないという原則です。
支援者に手伝ってもらって、お礼にお金を渡す。これは運動員買収にあたります。現金でなくても、商品券、品物、飲食の提供でも同じです。
「手伝ってくれたから打ち上げでご馳走する」も危ない、というのはこのためです。
例外が4職種あります
そのうえで、公職選挙法197条の2により、次の人には報酬を支払えます。
| 職種 | 何をする人か |
|---|---|
| 選挙運動事務員 | 事務所での事務作業 |
| 車上等運動員 | いわゆるウグイス嬢。選挙カーの車上で連呼する人 |
| 手話通訳者 | 演説会などでの手話通訳 |
| 要約筆記者 | 演説内容の要約筆記 |
この4つだけです。 ポスター貼りをしてくれた支援者や、電話がけをしてくれた人は、ここに入りません。
「労務者」は別枠です
もうひとつ、労務者という区分があります。はがきの宛名書き、演説会の会場設営といった単純な作業をする人で、こちらにも報酬を支払えます。
ただし重要な違いがあります。労務者は選挙運動をしてはいけません。 会場設営をしながら「よろしくお願いします」と声をかけたら、その時点で線を越えます。
「手を動かす人」と「声を出す人」は、別の枠だと考えてください。
払うには3つの条件があります
例外に当てはまれば自由に払える、という話ではありません。
1. 職種が上の4つ(+労務者)であること。
2. 金額が上限内であること。
3. 事前に選挙管理委員会へ届け出ていること。
3つめが落とし穴です。報酬を支給する者の届出を出さずに支払うと、例外の枠から外れます。雇う前に届け出てください。
金額は自治体によって違います
上限額は選挙の種類と自治体によって異なります。 全国一律ではありません。
たとえば和歌山県の規程では、次のようになっています。
| 職種 | 日額の上限 |
|---|---|
| 選挙運動事務員 | 15,000円 |
| 車上等運動員(ウグイス嬢) | 20,000円 |
| 手話通訳者・要約筆記者 | 20,000円 |
| 労務者 | 10,000円(超過勤務手当は基本日額の5割まで) |
これはあくまで一例です。 「ウグイス嬢は日当1万5千円」と書かれた記事もよく見かけますが、自治体や選挙の種類によって額が違うため、どちらも間違いではありません。
必ず、その選挙を管轄する選挙管理委員会でご確認ください。 ここを他の自治体の数字で決めてしまうと、超過分が買収になりかねません。
実費弁償は別に出せます
報酬とは別に、交通費・宿泊費・弁当代などの実費を弁償できます。これも上限が決まっています(和歌山県の例では宿泊1夜23,000円、弁当1食1,500円・1日4,500円まで、茶菓料1日1,000円)。
報酬の上限を超えた分を「交通費」として渡すのは、当然ながら認められません。
いちばんのからくり:運転手は公費、ウグイス嬢は自腹
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
選挙運動用自動車には公費負担の制度があります。 対象は車両の借入れ・燃料・運転手の雇用の3つです。
つまり、運転手の費用は公費で賄えます。 ところが、同じ車に乗っているウグイス嬢の報酬は、公費の対象外です。
| 公費 | |
|---|---|
| 車両のレンタル料 | 対象 |
| 燃料費 | 対象 |
| 運転手 | 対象 |
| ウグイス嬢(車上運動員) | 対象外・自己負担 |
| 看板の製作費 | 対象外・自己負担 |
同じ車に乗っていて、片方は税金、片方は自腹。 知らないまま予算を組むと、ここで足が出ます。
運転手の公費は1日あたり12,500円が上限で、しかも1日に1人分だけです。午前と午後で交代しても、2人分が出るわけではありません。詳しくは選挙カーのドライバー報酬とは?をご覧ください。
7日間の選挙で、ウグイス嬢を2人交代で頼めば、日額2万円として28万円。これが丸ごと自己負担です。車両代より高くなることも珍しくありません。
公費で何がどこまで賄えるかは選挙カーの公費負担、実際いくら戻る?に、運転手の扱いは選挙カーのドライバー報酬とは?にまとめています。
やりがちな間違い
打ち上げでご馳走する。 選挙運動の対価と見られれば買収です。感謝は言葉で伝えてください。
ポスター貼りに日当を出す。 ポスター貼りそのものは労務者の作業として整理できる場合がありますが、同時に投票を呼びかければ選挙運動になります。線引きが微妙な領域なので、事前に選管へ相談してください。
お礼に商品券を渡す。 現金でなければよい、ということはありません。
18歳未満に手伝ってもらう。 報酬の有無に関係なく、18歳未満は選挙運動そのものができません。
届出をせずに払う。 職種と金額が合っていても、届出がなければ例外に乗れません。
よくある質問
Q. ウグイス嬢はどこで頼めますか?
えらぶカーでもご相談を承っています。 そのほか、専門の会社やイベント会社、地元のアナウンス経験者に依頼するケースが多いです。
統一地方選挙の時期は取り合いになります。 車両と同じで、早く動いたほうが確実です。特に遠方の方は、地元で探すあてがないまま告示を迎えてしまうことがあります。
Q. 家族や支援者にウグイス嬢をやってもらうことはできますか?
できます。その場合も、報酬を払うなら届出が必要です。無報酬でやってもらうのであれば届出は要りません。
Q. 経験のない人でも務まりますか?
務まりますが、声が出せるかどうかより、法律を分かっているかどうかが大事です。時間外に流す、禁止された場所で流すといったミスは、本人ではなく候補者の責任になります。
Q. 1日だけ頼むこともできますか?
できます。日額での計算ですので、必要な日だけの依頼も可能です。
Q. 報酬を払った記録はどうすればいいですか?
選挙運動費用収支報告書に記載します。 領収書も必要です。支出は必ず出納責任者を通してください。
Q. 判断に迷ったら?
その選挙を管轄する選挙管理委員会です。報酬まわりは金額も届出様式も自治体ごとに違いますので、ネットの解説ではなく選管に確認してください。この記事も一般的な整理にすぎません。
選挙カーのご相談を承っています
えらぶカーは、東京・大森を拠点に、選挙カー・街宣車のレンタルと販売を行っています。全国対応です。
| プラン | 料金(税別) |
|---|---|
| 選挙期間プラン | 公費+198,000円〜(時期により変動) |
| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
| 看板デザイン+4面印刷 | 120,000円 |
| 看板セット(買い切り・税込) | 327,800円 |
| 看板・音響フルセット(買い切り・税込) | 438,000円 |
山西が直接担当します。
ウグイス嬢の手配についても、ご相談を承っています。 車両と別々に探すと、日程が合わない・価格が読めないといった問題が起きます。まとめてご相談いただければ、そこを調整できます。
この3つを教えていただければ、お見積りをお出しします。
- どの選挙か(市議選/町村議選/首長選 など)
- 告示日と投票日(未定でも構いません)
- 必要なもの(選挙カー1台/看板だけ/音響だけ など)
2027年春は統一地方選挙です。 車両もウグイス嬢も同じ時期に取り合いになりますので、日程が見えた段階でご相談ください。「まだ出馬を決めていない」という段階でも構いません。
お電話でもフォームでも承ります。ご連絡先はこのページのいちばん下にあります。
2027年4月は統一地方選挙です。 全国で同時に需要が重なるため、車両の確保がいちばん難しい時期になります。えらぶカーでは事前予約を受け付けています。