選挙カーには何人まで乗れるのか、また誰が乗ってよいのかというルールについては、意外と知られていないことが多くあります。実は「車の乗車定員」と「公職選挙法上の乗車人数のルール」は別の話で、この2つを混同すると誤解につながります。本記事では、選挙カーの乗車定員・人数・同乗者に関するルールを整理して解説します。
「道路交通法の定員」と「公職選挙法の乗車人数ルール」は別物
選挙カーには、大きく分けて2つの人数ルールがあります。
- 道路交通法上の乗車定員: 車両ごとに決まっている「何人まで乗れるか」という上限
- 公職選挙法上の乗車人数ルール: 選挙運動員として乗車できる人数の制限
「車が4人乗りだから4人乗ってよい」とは限りません。両方のルールを満たす必要があります。
道路交通法上の乗車定員
選挙カーといえども、乗車できる人数は車両の法定乗車定員内でなければなりません。これは道路交通法上の当然のルールです。定員を超えた乗車は道路交通法違反となります。
えらぶカーで貸し出している車両(ダイハツ ハイゼットカーゴ、日産NV100クリッパーなど)は4人乗り仕様です。同じ車種でもグレードによって2人乗り・4人乗りの設定があるため、レンタル時にはお使いの車両の定員をご確認ください。
公職選挙法上の選挙運動員の乗車人数制限
公職選挙法第141条の2(自動車等の乗車制限)により、選挙運動用自動車に乗車できる人物には明確な人数制限があります。候補者本人・運転手(自動車1台につき1名)を除き、選挙運動員として乗車できるのは4名以内(選挙管理委員会が交付する「乗車用腕章」を着用した者に限る)と定められています。腕章をつけていない知人・後援会員・家族などを「応援だから」と同乗させることは、原則として認められません。
つまり、公職選挙法上は「候補者1名+運転手1名+運動員4名」の合計最大6名まで乗車が認められる可能性がありますが、実際に乗車できる人数は、これと車両の法定乗車定員(例:4人乗りの軽バンであれば4名まで)のどちらか少ない方が上限になります。4人乗りの軽バンであれば、結果として車両の定員である4名が実質的な上限になるケースがほとんどです。
具体的な運用(届け出の要否や運動員の範囲など)は選挙の種類・選挙管理委員会によって取り扱いが異なる場合があるため、詳細は必ず事前に選挙管理委員会にご確認ください。
実際によくある乗車例
実際の選挙活動では、以下のような組み合わせで選挙カーに乗車するケースが多いとされています。
- 候補者+ドライバー(2名): シンプルな編成。燃費も良い
- 候補者+ドライバー+スタッフ1名(3名): アナウンス担当を乗せる場合など
- 候補者+ドライバー+スタッフ2名(4名): 4人乗り車両の定員いっぱいの編成
選挙カーに乗る際、特に注意したいケース
未成年者の乗車
公職選挙法第137条の2により、18歳未満の方は原則として選挙運動を行うことができません。選挙運動用自動車への同乗が「選挙運動」に該当する行為(連呼・アナウンスなど)を伴う場合は、18歳未満の方は行うことができません。単に同乗するだけかどうかの線引きが難しいケースもあるため、未成年者の同乗を検討する場合は、事前に選挙管理委員会に確認することを強くおすすめします。
家族の同乗
候補者の家族(特に子ども)が選挙カーに同乗するケースは、候補者の身近さをアピールするという観点から行われることがあります。ただし、家族であっても、選挙運動(連呼やアナウンスなど)を行う場合には公職選挙法上のルールが適用されます。前述の未成年者のルールや、選挙運動員としての届け出の要否についても、選挙管理委員会に確認しておきましょう。
選挙運動に関与しない人物(一般の知人・親族など)
選挙運動に関与していない人物を単純に同乗させて走行することは、選挙運動員としての要件や届け出との関係で、公職選挙法上のルールに抵触しないか確認が必要です。「応援したい気持ちで乗るだけ」のつもりでも、選挙管理委員会に事前確認しておくと安心です。
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アナウンス担当者について
選挙カーのマイクを通じて候補者名や政策を呼びかけるアナウンス担当者は、候補者本人のほかに専任のスタッフが担うケースもあります。アナウンス担当者も、前述の「選挙運動員として乗車できる4名以内」の枠に含まれるのが基本です。乗車人数の計画を立てる際は、運転手・候補者・アナウンス担当・その他運動員の合計人数が定員内に収まるよう調整してください。
乗車定員と最大積載量の注意
軽バンの場合、後部座席を折りたたんで荷室として使用するケースもありますが、選挙活動中は音響機器・看板の資材・飲料水などを積載することも多くなります。
車両には乗車定員だけでなく最大積載量も定められています。積載物の重量と乗車人数のバランスを考慮し、過積載にならないよう注意してください。
よくある質問
Q. 選挙カーには結局何人まで乗れますか? 車両の法定乗車定員(例:4人乗りの軽バンなら4名)と、公職選挙法第141条の2による運動員の人数制限(候補者・運転手を除き4名以内)の、どちらか少ない方が実質的な上限になります。4人乗りの車両であれば、多くの場合4名が上限です。詳細な運用は選挙管理委員会にご確認ください。
Q. 友人をただの「応援」として乗せることはできますか? 選挙運動に関与しない一般の人物を選挙カーに乗せることについては、公職選挙法上のルールに抵触しないか確認が必要です。詳細は選挙管理委員会にご確認ください。
Q. 候補者本人が乗らずに、スタッフだけが選挙カーを走らせることはできますか? 問題ありません。候補者が別の場所で街頭挨拶や駅立ちを行っている間、選挙カーはスタッフ(運転手・アナウンス担当など)のみで別エリアを回り、名前を連呼するという運用はよく行われています。その場合も、乗車するスタッフは前述の「乗車用腕章」を全員が着用している必要があります。
Q. ウグイス嬢やドライバーに日当(報酬)を払ってもよいですか? 公職選挙法第197条の2により、選挙運動で報酬を支払うことが認められているのは、車上運動員(ウグイス嬢等)・手話通訳者・要約筆記者・選挙運動用自動車の運転手・選挙事務員など、法律で限定された職種のみです。金額にも上限があり、車上運動員等は1日15,000円以内、事務員は1日10,000円以内とされています。これら以外の一般のボランティア・知人に報酬や謝礼を渡すと「買収」とみなされるおそれがあるため、日当を支払う相手と金額は必ず事前に選挙管理委員会や専門家に確認してください。
Q. 軽バン(4人乗り)で4人全員が乗車した場合、荷物はどこに置きますか? 荷室(後部スペース)が使用できますが、音響機器などを積んでいる場合は荷室の空きスペースが限られることがあります。積載計画を事前に立てておくことをおすすめします。
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- 担当: 山西 重亘
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