駅前でのぼりを立てて演説したい。ポスターを板に貼って、手作りの看板にして立てたい。
こうした相談を受けると、よく2つの勘違いに出会います。
- 「選挙の前に政治活動なんてしてはいけない」と思い込んで、何もできずにいる
- 「選挙運動じゃなくて政治活動だから、何を立ててもいい」と思って、違反になるものを使ってしまう
「選管にダメと言われた」という話も聞きます。それが勘違いのこともあれば、選管の言う通りのこともあります。
この記事では、政治活動で自由にできることと、政治活動でも決まりがあるものを分けて整理します。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。
結論:訴えるのは自由。「名前入りの旗と看板」には決まりがある
| できる | 決まりがある・できない | |
|---|---|---|
| 話すこと | 政策・活動報告・政党の主張を訴える | 告示前の投票のお願い(事前運動) |
| 街頭演説・駅立ち | 自由にできる | 拡声機の音量などは自治体の条例に注意 |
| のぼり旗 | 党名・スローガンだけののぼり | 名前入りののぼり(2連のものも含む) |
| 看板 | 事務所の看板(数・大きさの決まりあり) | ポスターを板に貼った手作り看板、名前入り看板を車に付けて走る |
| ポスター | 2連・3連の演説会告知ポスターを掲示板に貼る | 板で裏打ちしたもの、任期満了6か月前からの個人ポスター |
ポイントは、「何を話すか」はほぼ自由だけれど、「名前を書いたものを掲げること」には公職選挙法の決まりがある、ということです。
政治活動は、原則として自由です
まず、1つ目の勘違いから。
選挙の前であっても、政策を訴えること、活動を報告すること、所属する政党の主張を伝えることは自由です。駅前で演説するのも、地域を回るのも、演説会や報告会を開くのも、政治活動として認められています。
禁止されているのは、告示前に「〇〇に投票してください」「次の選挙でよろしくお願いします」と投票を頼むことです。これは事前運動になります。
つまり、話す中身が「政策」なら、選挙の前でもどんどん訴えてかまいません。選挙の直前になって初めて顔を出すより、ずっと前から地域で話している人のほうが強いのは、市議選で当選する人がやっていることでも書いた通りです。
選挙運動と政治活動の境目は告示前と告示後で何が変わる?政治活動と選挙運動の境界線にまとめています。
でも、「政治活動だから何でもOK」ではない
次に、2つ目の勘違いです。
公職選挙法143条16項は、選挙運動ではなく「政治活動」のために使う掲示物について決まりを置いています。候補者や候補者になろうとする人の名前(や、名前が推測できるもの)、後援会の名前を書いた立札・看板の類は、次のようなものしか使えません。
- 政治活動用の事務所に掲げる立札・看板(数や大きさの決まりがあり、選管が交付する証票を付けます)
- ポスター(板などで裏打ちしないもの)
- 演説会・講演会などの会場で、開催している間に使うもの
「選挙運動じゃないから大丈夫」は通用しません。この決まりは、政治活動そのものにかかっているからです。違反には罰則もあります(公職選挙法243条)。
名前入りののぼりは、2連でも使えない
のぼりは「立札・看板の類」
のぼり旗は、法律上は立札・看板の類として扱われます。名前が入っていれば、上の決まりがかかります。
2連・3連のポスターが長く貼っていられるのは、「政党や政治団体の演説会の告知ポスター」という形をとっているからです(選挙でもないのに、なぜ街に政治家のポスターが貼ってあるのか)。ただ、この理屈はポスターの話です。のぼりを2連にして「演説会の告知」と書いても、名前入りの立札・看板の類であることは変わりません。
街頭演説は「演説会の会場」に当たらない
名前入りののぼりが使える例外は、演説会・講演会などの会場で、開催している間だけです。
では駅前の街頭演説は「演説会」に当たるのか。広島市選挙管理委員会は、ふつうの街頭演説や辻立ちはこの例外に当たらず、名前入りののぼりやプラカードは使えないと案内しています。町田市選挙管理委員会も、街頭演説で使うのぼりに名前や名前が推測できるものを書くことはできない、としています。
「駅立ちで名前入りのぼりはダメ」と選管に言われたなら、それは選管の言う通りです。
たすきも同じ
名前を書いたたすきを、平時の駅立ちでかけるのも避けてください。千葉市選挙管理委員会は、街頭演説での名前入りたすきは文書図画の掲示になり使えない、としています。名前入りのたすきが使えるのは、選挙運動期間中の候補者です。
ポスターを板に貼った「手作り看板」も使えない
「のぼりがダメなら、2連ポスターを板に貼って立てればいい」と考える方もいます。これも使えません。
- ポスターは、ベニヤ板やプラスチック板などで裏打ちして掲示することが禁止されています
- 千葉市選挙管理委員会は、折りたたみ式の掲示板にポスターを貼って使うことも違反としています
- 板に貼って立てた時点で、使えるポスターではなく、名前入りの看板という扱いになると考えてください
同じ理由で、名前入りの看板を車に付けて走ることもできません(八千代市選挙管理委員会のQ&Aでも、スローガンだけなら可能とされています)。
では、駅立ちでどう伝えるか
名前入りののぼりが使えなくても、伝え方はあります。
1. のぼりは「党の旗」と割り切る
党名やスローガンだけののぼりは、選挙運動にわたらない限り使えます。党の色やロゴで揃えれば、遠くからでも「〇〇党の人が立っている」と伝わります。
千葉市選挙管理委員会は、政党の政治活動用と見なされるものも例外に挙げています。どこまでが「政党のもの」と見なされるかは選管ごとに判断が分かれるので、党名以外を入れたいときは、作る前にデザイン案を持って選管に確認してください。
2. 名前と顔は、ポスターと配りもので
- 2連・3連ポスターを、駅の近くの掲示板や協力者の家の塀に貼っておく(裏打ちはしない)
- 駅立ちでは、活動報告や政策のビラを手渡しする
- 名刺やSNSのQRコードで、あとから名前を検索してもらえるようにしておく
のぼりで名前を見せるより、手渡しした1枚が家に持ち帰られるほうが、名前は残ります。
3. 声で名前を伝える
街頭演説で、自己紹介として名前を名乗るのは自由です。規制されているのは「名前を書いたものを掲げること」で、話すことではありません(投票のお願いにならないように注意)。
選管に確認するときのコツ
「ダメと言われた」「いいと言われた」が人によって食い違うのは、何を見せて、何を聞いたかが違うことが多いからです。
- 口頭の説明ではなく、実物のデザイン案を持っていく
- 「どこで、いつ、どう使うか」を具体的に伝える(駅前の街頭演説で/演説会の会場で/事務所に掲げて、など)
- ダメと言われたら、「どの決まりに当たるのか」「どう直せば使えるのか」まで聞く
選管は、相談すれば丁寧に教えてくれます。使ってから指摘されるより、作る前に聞くほうがずっと楽です。
よくある質問
Q. 選挙の前に、駅前で演説してもいいですか?
できます。政策や活動報告を訴える街頭演説は、政治活動として自由です。告示前に投票をお願いしないことだけ気をつけてください。
Q. 2連の演説会告知ののぼりなら使えますか?
名前が入っていれば、使えないと考えてください。演説会の告知という形が通るのはポスターの話で、のぼりは立札・看板の類として扱われます。例外は、演説会の会場で開催している間に使う場合だけです。
Q. 屋内の演説会なら、名前入りののぼりを立てられますか?
演説会・講演会などの会場で、開催している間に使うものは例外として認められています。終わったら片づけます。会場の外の道路に立てておく、といった使い方は避けてください。
Q. 党名だけののぼりに、小さく名前を入れるのは?
名前が入った時点で、個人のものと見なされるおそれがあります。「政党の政治活動用」と見なされる範囲は選管によって判断が分かれるので、必ず事前にデザイン案で確認してください。
Q. 選挙期間中なら、名前入りののぼりは使えますか?
選挙期間中は、選挙運動用の文書図画として使えるものが別に決まっています。のぼりは選挙運動でも使える場面が限られるので、選挙期間中の装備は選管の説明会や手引きで確認してください。
まとめ
- 政策を訴える政治活動は、選挙の前でも自由。できないのは告示前の投票のお願い
- ただし、名前入りの立札・看板の類には、政治活動でも決まりがある(公職選挙法143条16項)
- 名前入りののぼりは、2連でも駅立ちでは使えない。例外は演説会の会場で開催している間だけ
- ポスターを板に貼った手作り看板も使えない。ポスターは裏打ちせずに貼る
- 駅立ちでは、党名・スローガンののぼり+ポスター+手渡しのビラ+声で伝える
- 迷ったら、デザイン案を持って、作る前に選管へ
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| 内容 | 料金(税別) |
|---|---|
| ポスターデザイン | 40,000円 / 枚 |
| 印刷 | まとめて承ります(印刷代は別途お見積り) |
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看板とポスターをまとめてご依頼いただくと、表記と写真を揃えられます。 別々の業者に頼むと、書体も色も写真も揃わないことがよくあります。有権者から見て「同じ人」に見えるかどうかは、思っている以上に効きます。
貼り出しと撤去の管理は、最初から記録を残しておくことをおすすめします。 貼った場所を写真と地図で残してチームで共有しておけば、撤去期限までに漏れなく剥がせます。
写真をお持ちでない場合は、撮影からお受けできます。 ポスター・看板・ホームページ・SNSで使い回せますので、一度の撮影でまとめて押さえておくのが効率的です。
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2027年春は統一地方選挙です。 ポスターは撤去期限の前に貼り終えたいので、日程が見えた段階でご相談ください。「まだ出馬を決めていない」という段階でも構いません。
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