選挙運動と政治活動の違い|選挙カーの使い方はどう変わるか

「選挙が終わったあとも、次に向けて街宣活動をしたい」
「告示前から車を走らせて名前を広めたい」

こうした活動を検討する際に必ず理解しておかなければならないのが、「選挙運動」と「政治活動」の違いです。この区別を間違えると、公職選挙法違反(事前運動禁止)に問われる可能性があります。


目次

「選挙運動」とは

公職選挙法では、選挙運動を以下のように定義しています。

特定の選挙において、特定の候補者を当選させることを目的として行う一切の行為

具体的には:

  • 「○○に一票をお願いします」と呼びかける
  • 「今度の○○選挙で△△をよろしく」というビラを配る
  • 選挙期間中の選挙カーでの街頭演説

選挙運動ができる期間は、公示日(告示日)から投票日前日までです。それ以外の期間に行うと「事前運動」として公職選挙法に違反します。


「政治活動」とは

政治活動は、選挙運動とは異なり選挙期間外でも行えます。

政党や政治団体、個人が政策を広め、支持を集めるために行う活動全般

具体的には:

  • 政策・実績を報告するレポート(政治活動ビラ)の配布
  • 後援会の活動報告
  • 辻立ちでの政策演説(特定の選挙への投票を求めない)
  • 政党の街宣活動

ただし注意点があります。「今度の○○選挙をよろしく」という内容が含まれる瞬間に、政治活動から選挙運動に変わります。境界線は「投票を求めているかどうか」です。


選挙カーを使う場合の違い

項目選挙運動(公示日〜投票前日)政治活動(選挙期間外)
拡声器使用午前8時〜午後8時(公選法第140条の2)各都道府県の暴騒音規制条例・軽犯罪法により規制あり。実務上は選挙期間中と同じく8時〜20時を遵守するのが基本
看板の表示選挙運動用の看板を掲示(縦135cm×横275cm以内)個人名・顔写真のみの看板の車載は不可(公選法第143条第16項)。原則として「政党(支部)の演説車」として党名・政策を掲示する形になります
公費負担対象(借入れ契約なら日額15,800円)対象外
使用台数公費対象は原則1台個人名義は不可。政党(支部)名義の活動であれば、届出により複数台が認められるケースがあります
乗車制限候補者+運転手1名+運動員4名(最大6名)車両の乗車定員内

告示前に車を走らせるときの注意点

NG:選挙への投票を求める内容

告示前に、選挙への投票を呼びかけるような内容(「次の○○選挙でよろしく」「今度の選挙で一票を」など)の演説・ビラ配布・看板掲示を行うことは、事前運動として公職選挙法違反になります。

OK:政治活動としての街頭活動

告示前であっても、政策や活動報告を伝える「政治活動」は原則として認められています。ただし、内容・方法・タイミングによっては事前運動とみなされるリスクがあるため、必ず選挙管理委員会に事前に相談してください。

⚠️ 「これは政治活動だから大丈夫」と自己判断するのは危険です。告示前の街頭活動については、実施前に選管への確認を強く推奨します。



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看板・表示物の制限の違い

選挙期間中の看板

選挙運動用の看板は、選挙期間中(公示日〜投票日前日)のみ掲示できます。投票日当日に看板が露出した状態で駐車することは、選挙運動用文書図画の掲示違反になるリスクがあります。

政治活動期間中の看板(選挙期間外)

公職選挙法第143条第16項により、選挙期間外(政治活動期間)に候補者の個人名・顔写真を入れた看板を車に搭載して公道を走ることは禁止されています。個人名入りの立て看板が許されるのは、選管の証紙を貼った上で「政治活動用事務所の敷地内」に設置する場合に限られます。

では、なぜ告示前に街宣車が走れているのかというと、あれは「政党(支部)の演説車」という公選法上の別枠を使っているためです。看板には党名・政策を掲示し、候補者は「○○党○○支部 支部長」や「政党の演説者の一人」という位置づけにすることで、「政党の政策広報」として活動できます。

⚠️ 候補者個人の名前だけを大きく入れた看板を付けて告示前に走ることは、公選法上のリスクが非常に高くなります。告示前の街頭活動は事前に選挙管理委員会へ必ずご相談ください。


よくある誤解

「選挙カーは選挙のときしか使えない」→ ×

政治活動として車に看板を取り付けて走ることは、選挙期間外でも行えます。ただし、公費負担の適用外となり、すべて自己負担になります。

「告示前に顔を出しておけば選挙に有利」→ △

政治活動としての事前の認知活動は認められていますが、選挙への投票を求める活動は事前運動禁止に抵触します。内容の区別が重要です。

「選挙カーで複数台走らせたい」→ 要確認

個人・後援会名義での複数台同時使用は、政治活動であっても慎重な判断が必要です。政党(支部)名義の活動であれば複数台の街宣活動が認められるケースがあります。詳細は選管に確認してください。


まとめ

  • 選挙運動は公示日〜投票前日のみ、期間外は事前運動禁止
  • 政治活動は選挙期間外でも行えるが、投票を求める内容はNG
  • 告示前の街頭活動は「政治活動」として行い、内容・方法を選管に確認する
  • 公費負担が使えるのは選挙運動期間中のみ
  • 複数台の使用は政党(支部)名義の活動に限られるのが一般的

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