「演説なら慣れているのに、カメラを向けられると話せない」。政治家の方からよく聞く悩みです。街頭や議会では堂々と話せる人でも、スマホのレンズに向かうと表情が固くなり、話が長くなり、何度撮っても「なんだか違う」動画になってしまいます。この記事では、SNS動画でカメラの前で自然に話すための台本の作り方と話し方、撮影の前に準備しておくことをまとめます。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。この記事も特定の政党・陣営を念頭に置いたものではありません。
結論:台本は「一言」から作り、話すのは「1人の相手」
- 1本で伝えることは1つだけ。言いたいことを全部入れると、何も残りません
- 台本は、最後に残したい一言から逆算して作ります
- カメラの向こうに大勢ではなく1人を思い浮かべて話します
- 一発で撮ろうとしない。短く区切って、何度でも言い直す方法がよく使われます
なぜ、演説が上手でもカメラの前では話せないのか
演説と動画は、話す相手の数が違います。街頭演説は大勢に向けて、遠くまで届く声で話しますが、スマホで見る動画は1人が手元で見ているものです。演説のような大きな身振りや強い口調は、スマホの画面では大げさに感じられることがあります。
もう一つは、反応がないことです。演説なら聴いている人の表情を見ながら話を調整できますが、カメラは何も返してくれません。そのため、話が長くなったり、同じことを繰り返したりしがちです。短い動画では特に、話す前に内容を決めておくことが大切になります。
台本の作り方:最後の一言から逆算する
SNSの縦動画は、最初は30秒から1分程度の短いものから始めると取り組みやすくなります。1分間に話せる文字数は話す速さで変わりますが、250〜300字程度がひとつの目安です。数字や地名、政策の言葉が多いときは、さらに短くすると伝わりやすくなります。台本は次の順で作ります。
- 最後に残したい一言を決める(例:「通学路の横断歩道、来年度中に整備されます」)
- その一言につながる理由を1つだけ選ぶ(例:「保護者の方から、朝の交通量が多くて危ないという声をいただき、議会で取り上げました」)
- 冒頭の数秒で、見る人が「自分に関係ある」と思う言葉を置く(例:「〇〇小学校の前の交差点のことです」)
| パート | 時間の目安 | 中身 |
|---|---|---|
| つかみ | 最初の数秒 | 地名・身近な話題・問いかけ |
| 中身 | 20〜40秒 | 理由や経緯を1つだけ |
| 締め | 最後の5秒 | 残したい一言。必要なら「詳しくはプロフィールのリンクから」 |
台本は、書き言葉ではなく話し言葉で書きます。「〜であります」「〜と考えております」より、「〜です」「〜と思っています」のほうが、画面越しには伝わります。書き終えたら一度声に出して読み、時間を測りながら、言いにくいところ、息が続かないところを直してください。
30秒程度の台本の例です(架空の例です)。
〇〇小学校の前の交差点をご存じですか?朝は車が多く、保護者の方から安全対策を求める声をいただいていました。そこで議会で、横断歩道の整備について質問しました。市からは、来年度中の整備を目指すという答弁がありました。引き続き、進み具合を確認していきます。
実際の動画では、「整備が決まった」のか「整備を目指す」のかなど、答弁の内容を正確に言い分けてください。
カメラの前で自然に話す7つのコツ
- レンズを見て話す:画面の自分の顔ではなく、レンズを見て話します。レンズの横に小さな付せんを貼ると目線が安定します。じっと凝視する必要はなく、自然なまばたきや表情のままで大丈夫です
- 具体的な1人を思い浮かべる:「〇〇町の商店街のあの店主さん」など、具体的な1人に話しかけるつもりで話すと、自然な口調になります
- 演説ではなく会話の声で話す:街頭演説のように声を張り上げる必要はありません。目の前の1人に説明するように、落ち着いた声ではっきり話します
- 一文を短くする:「〜で、〜なので、〜ですが」とつなげず、「〜です。」で一度切ります。字幕を入れたときも読みやすくなります
- カンペはキーワード中心にする:要点を大きな字で書いた紙を、レンズのすぐ近くに置きます。慣れないうちは全文のカンペでも構いませんが、文章を目で追うと「読んでいる目」になりやすいので、少しずつキーワードだけにしていきます
- 2〜3文ずつ区切って撮る:テレビのように一発で1分話す必要はありません。短く区切って撮り、編集でつなぐ方法がよく使われます。詰まったら、その文の頭からもう一度言えば大丈夫です
- 話し終わったら1〜2秒ほど間を置く:最後にすぐ表情を崩すと、編集で使いにくくなります
音を出さずに動画を見る人にも伝わるよう、字幕を付ける前提で、短い言葉ではっきり話すことも意識してください。
撮影の前に準備しておくこと
| 項目 | 準備しておくこと |
|---|---|
| 台本 | 1本ごとに「残したい一言」と理由を1つ。声に出して読んでおく |
| 服装 | いつも活動で着ている服。細かい柄は画面でちらつき、白い服は光の当たり方で白飛びすることがある。着替えを1〜2着 |
| 場所 | 話の内容に合う場所(通学路の話なら通学路)。議場・委員会室・庁舎内などは、議会や施設のルールを事前に確認。学校の周りで子どもが映る場所は特に慎重に |
| 映り込み | 背景に関係のない人の顔、車のナンバー、看板などが映らないか |
| 時間と光 | 屋外は光の向きと騒音。朝夕は太陽が低く、カメラの向きによって逆光になりやすい。顔に光が当たる位置で撮る |
| 機材 | スマホは縦向き、レンズは目線の高さに。撮影前に録音テストをする |
| 本数 | その日に撮る本数と順番。場所の移動が少ない順に並べる |
屋外で撮るときは、信号や点字ブロックの上に立っていないか、私有地に入っていないかなど、映り方や場所にも気を配ってください。注意点はその動画、相手陣営に切り取られます|政治家がSNSに映してはいけない15のことにまとめています。
編集が終わったら、公開の前に、字幕の誤字、名前・数字・政策の内容が正しいか、関係のない人が映っていないか、音声が聞き取れるかを確認します。編集で発言の趣旨が変わっていないかも大切な確認点です。
話す内容で気をつけること(公選法)
選挙期間の外でも、政策の説明や議会活動の報告など、通常の政治活動としてSNS動画を発信できます。ただし、特定の選挙で特定の候補者への投票を求めるなど、選挙運動にあたる内容を告示(公示)前に発信すると、事前運動として公職選挙法に触れるおそれがあります。判断は投稿の目的・内容・時期などから行われるので、言葉を置き換えるだけで問題がなくなるわけではありません。「次の選挙で〇〇をよろしく」「〇〇に一票を」といった言葉は、平時の動画には入れないでください。締めの一言は、活動の報告や、意見を募る呼びかけにしておくと安全です。
よくある質問
Q. 台本を読んでいるように見えてしまいます。
台本を一字一句覚えようとすると、読んでいる話し方になります。台本は撮影の前に何度か声に出して読み、本番ではキーワードだけを見て、自分の言葉で話してください。多少言葉が変わっても、伝えたい一言が同じなら問題ありません。
Q. スマホで撮っても大丈夫ですか?
今のスマホなら、画質は十分です。差が出るのは音です。スマホの内蔵マイクは周りの音を拾いやすいので、屋外では小さな外付けマイクが効果的です。風の音を防ぐカバー、マイクを付ける位置、撮影前の録音確認もあわせて行ってください。
Q. 1回の撮影で何本くらい撮れますか?
台本が準備できていて、場所の移動が少なければ、半日でも複数本を撮ることができます。台本づくりと場所選びを撮影の前に済ませておくことが、本数を増やすいちばんのコツです。
まとめ
- 演説と動画は相手の数が違う。動画は手元で見る1人に向けて話す
- 台本は最後に残したい一言から逆算し、理由は1つだけ
- レンズを見て、会話の声で、一文を短く。カンペはキーワード中心に
- 2〜3文ずつ区切って撮り、言い直しは何度でも。公開前の確認も忘れずに
- 平時の動画に投票を求める言葉は入れない
撮影当日のディレクションもお任せください
えらぶカーでは、政治家の方向けの動画撮影で、台本づくりから撮影当日の声かけ・ディレクション、編集までお受けしています。「カメラの前だとうまく話せない」という方ほど、一度ご一緒すると変わります。撮影の進め方は政治家のSNS支援、えらぶカーは何をするのかをご覧ください。制作から運用のご相談まで、山西が直接担当します。外注に丸投げはしません。
| サービス | 料金(税別) |
|---|---|
| 撮影(カメラマン同行) | 40,000円 / 日 |
| 動画の編集 | 20,000円 / 本 |
| 撮影+編集5本(最小構成) | 140,000円〜 |
| SNSコンサルティング(1日訪問) | 40,000円 |
交通費は実費精算です。2027年4月の統一地方選挙に向けたご相談も受け付けています。 サービスの詳細は政治家・候補者のSNS運用支援をご覧ください。
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