選挙カーを走らせる前には、選挙管理委員会(選管)と警察署という2つの窓口への手続きが必要です。「ただ走行するだけなら警察は関係ない」と思われがちですが、これは大きな誤解です。看板やスピーカーを屋根に載せて走行する一般的な選挙カーは、走行前に警察署から「設備外積載許可」を取得しなければ、道路交通法違反となる可能性があります。
本記事では、選挙カー運行に必要な2大手続き(選管・警察)の内容と流れをわかりやすく解説します。
警察署への手続き①:設備外積載許可(必須)
なぜ許可が必要なのか
選挙カーの屋根には、候補者名が書かれた大型看板やスピーカーを設置します。これらを載せると、道路交通法が定める車両の高さ制限(軽自動車は2.5m、普通車は3.8mが基準)を超えてしまったり、車体からはみ出してしまうケースがほとんどです。
こうした「規定の大きさや重量を超えた積載物を載せて走行する」場合には、事前に出発地を管轄する警察署長から「設備外積載許可(積載物大きさ制限超過許可)」を取得する必要があります。この許可を得ずに公道を走ると、道路交通法違反として取り締まりを受ける可能性があります。
申請に必要なもの(一般的な例)
申請書には通常、以下のような書類の添付が求められます。
- 看板の寸法が記入された図面(縦・横・高さ)
- 車両に看板を載せた状態の見取り図・寸法図
- 車検証のコピー(車両の寸法・仕様を示すもの)
必要書類や様式は警察署によって異なります。管轄警察署に早めに確認することをおすすめします。
申請のタイミング
選管では告示日前に「事前審査」を行う自治体も多く、その際に選管提出書類と一緒に警察署向けの設備外積載許可書類も下書き確認してもらうことが一般的とされています。告示日の数日前〜1週間前を目安に手続きを進めることが多いとされていますが、都道府県・警察署によって対応が異なるため、早めに管轄警察署へ相談してください。
警察署への手続き②:道路使用許可(必要なケース)
道路使用許可(道路交通法第77条に基づく許可)は、道路を本来の交通以外の目的で継続的に使用する行為に対して求められるものです。
道路使用許可が必要となる主なケース
- 道路上にお立ち台・のぼり旗・パイロン・テントなど「物を置く」場合
- スタッフが公道上で証紙ビラ等を配布する場合
- 駅前などで大規模な演説会・集会を道路上で開催する場合
「停車して演説」だけなら原則不要
前述の設備外積載許可とは別に、選挙カーが街頭演説のために路上に停車して車上から演説を行うだけであれば、公職選挙法の規定に基づく駐車禁止の除外特例(法定禁止場所を除く)が適用されるため、原則として道路使用許可は不要とされています。
ただし、活動内容・場所・所轄警察署の判断によって異なる場合があります。計画している演説活動について、事前に管轄警察署へ確認しておくと安心です。
選挙管理委員会への届け出・確認
警察への手続きとは別に、選管への届け出・申請も必要です。選挙カーに関しては、公費負担(選挙公営)の申請や、使用する車両に関する届出・確認書類など、選挙の種類や公営制度の利用有無によって提出書類が異なります。
選管に確認すべき主な事項
- 公費負担を受けるための申請手続きと期限
- 使用する車両に関する届出・確認書類(車検証等)
- 車体表示・表示物・拡声機に関するルール
- 選挙期間中の活動ルール全般
まず選管に相談することで、全体の手続きの流れを把握しやすくなります。
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手続きの全体像(一例)
以下はあくまで参考です。選挙の種類・都道府県・自治体によって流れや必要書類は異なりますので、実際のスケジュールは選管・警察署に必ずご確認ください。
| タイミング | 手続きの内容(一例) |
|---|---|
| 立候補を決めた段階 | 選管へのヒアリング・必要書類の全体確認 |
| 告示日の1〜2週間前 | 看板寸法・車両情報の準備(設備外積載許可申請のため) |
| 告示日の数日前〜1週間前 | 管轄警察署へ設備外積載許可を申請 |
| 告示日前後 | 選管への届出・申請(選挙の種類により異なる) |
| 告示日以降 | 選挙活動開始 |
よくある誤解
「選挙カーの走行だけなら警察は関係ない」という誤解
看板やスピーカーを屋根に載せて走行する場合、設備外積載許可が必要です。許可なく走行すると道路交通法違反となる可能性があります。
「街宣車と同じ扱い」という誤解
選挙カーは公職選挙法に基づく選挙運動用自動車であり、政治活動で使用される街宣車とは適用されるルールが異なります。選挙運動期間中の選挙カーに関するルールは公職選挙法によって定められており、不明な点は選管に確認することが確実です。
よくある質問
Q. 設備外積載許可はどこの警察署に申請すればいいですか? 出発地(車両を駐車している場所)を管轄する警察署への申請が一般的です。詳細は管轄警察署にご確認ください。
Q. 設備外積載許可の申請費用はかかりますか? 都道府県によって手数料が異なります。管轄警察署にご確認ください。
Q. 道路使用許可は必ず必要ですか? 選挙カーを止めて車上から演説するだけであれば、一般的には不要とされています。道路上にお立ち台などを設置する場合やビラ配りを行う場合は必要となることがあります。詳細は管轄警察署にご確認ください。
Q. 駅前で演説するときは許可が必要ですか? 車上からの演説のみであれば、一般的に道路使用許可は不要とされています。ただし、駅前の道路上に機材やスタッフを配置する場合は必要となる場合があります。管轄警察署への事前確認をおすすめします。
Q. スーパー前でも道路使用許可が必要ですか? スーパーの敷地(私有地)内での活動と、その前の道路上での活動では扱いが異なります。道路上での演説・活動については管轄警察署へご確認ください。
Q. 選管への届け出と警察への届け出は同時にできますか? それぞれ独立した手続きのため、別々に行う必要があります。同時並行で進めることは可能です。
※本記事は道路交通法・公職選挙法の一般的なルールを解説したものです。選挙の種類・活動内容・所轄警察署や選管の判断によって取扱いが異なります。実際の手続きについては、所轄の選挙管理委員会および管轄警察署へ必ずご確認ください。
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初めての選挙では、警察署への設備外積載許可申請に必要な「看板の寸法入り図面」や「車両仕様書類」の準備に戸惑うケースがあります。えらぶカーでは、貸し出し車両(ダイハツ ハイゼットカーゴ・日産 NV100クリッパー)の車検証コピーや車両データをスムーズにご用意できるため、警察署や選管への申請準備をスムーズに進めていただけます。
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なお、届け出とあわせて必ず確認しておきたいのが走行できる時間です。選挙カーを使えるのは午前8時〜午後8時に限られ、時間外の呼びかけは公職選挙法違反になります。詳しくは選挙カーは何時から何時まで?公職選挙法の時間ルールにまとめています。
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