ある朝、自宅の塀や店のシャッターに、知らない政治家のポスターが貼られていた――。選挙が近づくと、こうした相談が増えます。勝手に貼られたポスターは、はがしていいのか。連絡するなら、警察なのか、選挙管理委員会なのか、それとも貼った政党や候補者なのか。この記事では、無断でポスターを貼られたときの対応の順番と、相談先の使い分け、撤去をお願いする書面の例文をまとめます。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。この記事も特定の政党・陣営を念頭に置いたものではありません。個別の事情によって扱いが変わることがあるので、判断に迷う場合は選挙管理委員会や警察、弁護士に相談してください。
結論:まず記録、次に貼った人へ連絡。違反が疑われれば選管、被害があれば警察
| 相談先 | こんなときに |
|---|---|
| ポスターの掲示責任者(政党・候補者の事務所) | まずはここ。撤去をお願いする |
| 選挙管理委員会 | 選挙期間中の選挙運動用ポスターの違反の疑い、掲示が禁止されている時期の個人ポスターなど、公職選挙法の違反が疑われるとき |
| 警察 | 建物が傷ついた、何度も貼られる、はがしても貼り直される、相手とトラブルになったとき |
| 電柱や公共物の管理者・自治体 | 自分の敷地ではなく、電柱やガードレールなどに貼られているとき |
多くの場合、ポスターは政党や候補者の支援者が「貼ってよい場所」と思い込んで貼っています。ポスターに書かれた掲示責任者に連絡すれば、すぐに撤去されることがほとんどです。それでも対応されない場合や、悪質な場合に、選挙管理委員会や警察に相談します。
対応の順番
- 写真で記録する:貼られている場所、ポスター全体、ポスターに書かれた掲示責任者・印刷者の表示がわかるように撮ります。日時もメモしておきます
- ポスターの種類を確認する:選挙期間中の候補者の選挙運動用ポスターか、平時の政治活動用ポスター(個人のもの、政党のもの)かを確認します。地方選挙の候補者個人の選挙運動用ポスターは、原則として公営のポスター掲示場に貼るものです
- 掲示責任者に連絡する:ポスターに書かれた掲示責任者や政党・候補者の事務所に、電話や書面で撤去をお願いします
- 対応されなければ、選挙管理委員会や警察に相談する:記録した写真や、連絡した日時・内容を伝えます
ポスターの見分け方
| 種類 | 特徴 | 主な相談先 |
|---|---|---|
| 選挙運動用ポスター | 選挙期間中に、候補者の名前と、投票を呼びかける内容が書かれたもの。掲示責任者・印刷者の表示がある | 掲示責任者、選挙管理委員会 |
| 政治活動用ポスター(個人) | 平時に、政治家個人の名前と写真が大きく入ったもの。掲示責任者・印刷者の表示がある | 掲示責任者。選挙が近い時期は選挙管理委員会 |
| 政党などのポスター | 政党の名前やスローガン、演説会の告知が入ったもの。2人・3人の弁士が並ぶものも | 掲示責任者(政党の支部など) |
任期満了による選挙では、政治家個人の名前や写真が入った政治活動用ポスターや、後援団体の名前が入った政治活動用ポスターは、任期満了日の6か月前から投票日まで、その選挙区内に掲示できないことになっています。それより前から貼られていたポスターも対象です。2027年の統一地方選挙に向けては、2026年秋から順次この期間に入っています(開始日は選挙によって違います)。この時期に個人のポスターが貼られている場合は、選挙管理委員会に相談する理由になります。政党のポスターは扱いが違い、2連・3連のポスターだから必ず問題ない、あるいは必ず規制の対象になる、というものでもありません。ポスターの種類の違いは選挙でもないのに、なぜ街に政治家のポスターが貼ってあるのかにまとめています。
自分ではがしてもいいのか
選挙運動用ポスターについては、公職選挙法第145条が、他人の家や塀などの工作物に貼るときは居住者(いなければ管理者、所有者)の承諾が必要と定めています。そして、承諾なく貼られたポスターは、居住者などが撤去できるとされています。
政治活動用ポスター(個人や政党の平時のポスター)には、この条文が直接あてはまるわけではありません。ただし、自分が住んでいる・管理している建物に無断で貼られたものは、建物を管理する権利にもとづいて撤去できると考えられています。
大切なのは、撤去できることと、ポスターを破ったり捨てたりしてよいことは別だという点です。次の点に気をつけてください。
- はがす前に写真を撮る:あとで連絡や相談をするときの記録になります
- 破らない・捨てない:腹立ちまぎれに破ったり、落書きしたり、捨てたりするのは避けます。ポスターそのものは相手の物なので、汚したり壊したりすると器物損壊罪にあたるおそれがあります。はがしたら保管し、掲示責任者に返すか、引き取ってもらいます
- 自分が住んでいる・管理している建物のものだけ:敷地内でも、他人が管理している設備(電柱、隣家との共有の塀など)は扱いが違います。公営のポスター掲示場や他人の家のポスターをはがすと、刑事責任を問われるおそれがあります。選挙期間中の正当な選挙運動用ポスターをわざと破れば、選挙の自由を妨害する罪にあたるおそれもあります
- 一度承諾したポスター:以前に貼ることを承諾していた場合は、まず掲示責任者に連絡して撤去してもらうのが安全です
- 無理にはがさない:強い接着剤で貼られていて、はがすと壁や塀が傷む場合は、掲示責任者に撤去と原状回復を求めます
判断に迷う場合は、自分ではがす前に掲示責任者か選挙管理委員会に相談してください。
相談先の使い分け
政党・候補者の事務所(掲示責任者)
最初に連絡するのはここです。候補者の選挙運動用ポスターや、個人の政治活動用ポスターには、法律で掲示責任者や印刷者の氏名・住所を書くことになっています。政党のポスターであれば、地域の支部が窓口になっていることが多いです。「〇月〇日に、〇〇(住所)の塀に、承諾なくポスターが貼られていました。撤去をお願いします」と、場所と日時をはっきり伝えます。
選挙管理委員会
選挙管理委員会は、公職選挙法第147条に定める違反のポスターについて、撤去させることができます(その際は、あらかじめ警察署長に通報します)。選挙期間中の選挙運動用ポスターが掲示場以外に貼られている、掲示が禁止されている時期に個人の政治活動用ポスターが貼られている、といった場合に相談します。ただし、すべての無断掲示について撤去を命じられるわけではありません。単に承諾を得ていない平時のポスターなどは、まず掲示責任者に撤去を求めるのが基本です。また、選挙管理委員会に相談すれば必ず職員が撤去してくれる、というわけでもありません。
警察
警察に相談するのは、建物や塀が傷ついた、何度も貼られる、はがしても貼り直される、相手が威圧的で話にならないといった場合です。無断で他人の家などにはり紙をする行為は、軽犯罪法第1条第33号に触れるおそれがあり、接着剤などで建物を傷つければ器物損壊罪にあたるおそれもあります。選挙期間中の違反は、選挙管理委員会から警察に通報されることもあります。
電柱や公共物の場合
自分の家ではなく、電柱、ガードレール、街路樹などに貼られている場合は、その管理者(電力会社、道路を管理する自治体など)や、屋外広告物を担当する自治体の窓口に連絡します。
撤去をお願いする書面の例文
電話で伝わらない場合や、記録を残したい場合は、書面で送ります。宛先は、ポスターに書かれた掲示責任者、または政党・候補者の事務所です。
〇〇党〇〇支部(または〇〇事務所) 掲示責任者 〇〇〇〇 様 ポスター撤去のお願い 〇年〇月〇日、下記の場所に、貴事務所の掲示責任者名が記載された ポスターが掲示されているのを確認しました。 当方は掲示を承諾しておりませんので、〇月〇日までに撤去していただきますよう お願いいたします。 撤去の際に建物に傷や汚れが生じた場合は、原状回復をお願いいたします。 場所:〇〇市〇〇町〇-〇(自宅の塀、正面向かって左側) 枚数:〇枚 ポスターの内容:〇〇〇〇氏の写真と氏名が入ったもの 〇年〇月〇日 住所 〇〇〇〇 氏名 〇〇〇〇 連絡先 〇〇〇〇
写真を同封すると、相手が場所を特定しやすくなります。期限までに対応されなかったときは、この書面の控えと写真を持って、選挙管理委員会や警察に相談します。
二度と貼られないために
- 「ポスター等の掲示お断り」の表示をする:門や塀に表示しておくと、承諾を得たと誤解されにくくなります
- 管理会社に伝える:マンションや貸店舗の場合は、管理会社にも知らせて、掲示を承諾しないよう共有します
- 以前の承諾を取り消す:過去にポスターの掲示を承諾していた場合は、掲示責任者に「今後は承諾しない」と伝えます
よくある質問
Q. 選挙期間中に自宅の塀に貼られた候補者のポスター、はがしたら罪になりませんか?
承諾なく自分の家に貼られた選挙運動用ポスターは、公職選挙法で居住者などが撤去できるとされています。はがしたポスターは破ったり捨てたりせず、保管して返しましょう。以前に承諾していた場合や、自分が管理する場所かどうか分かりにくい場合は、まず掲示責任者か選挙管理委員会に連絡してください。ポスター掲示場や他人の家のポスターをはがすのは、罪にあたるおそれがあります。
Q. 誰が貼ったか分からないポスターは?
ポスターに書かれた掲示責任者や政党に連絡します。表示がない場合や連絡がつかない場合は、選挙管理委員会や警察に相談してください。
Q. 費用を請求できますか?
ポスターをはがすときに建物や塀が傷んだ場合は、貼った側に原状回復や修理費を求めることが考えられます。ただし、誰が貼ったのか、どの程度の損害かなどの確認が必要です。話し合いで解決しない場合は、弁護士に相談してください。
まとめ
- 無断で貼られたら、まず写真で記録し、ポスターの掲示責任者に撤去をお願いする
- 自分の家に無断で貼られたポスターは撤去できる。ただし破ったり捨てたりせず、保管して返す。他人の敷地や掲示場のポスターははがさない
- 公職選挙法の違反が疑われるときは選挙管理委員会、建物の損傷や悪質な場合は警察に相談する
- 書面で撤去を求めるときは、場所・日時・枚数・期限を書き、控えと写真を残す
- 「掲示お断り」の表示などで、再発を防ぐ
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えらぶカーは、東京・大森で選挙カー・街宣車のレンタルと販売を行っています。ポスターは、承諾を得た場所と、公営の掲示場に貼るのが基本です。名前を広めたい時期には、政党名やスローガンを掲げた街宣車で地域を回る方法もあります(政治活動中の街宣車、看板には何を出す?)。
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| プラン | 料金 |
|---|---|
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