選挙公報は、選挙管理委員会が発行して、投票日の前に各世帯に届けられる冊子(または新聞折込み)です。有権者がすべての候補者を同じ条件で並べて見比べる数少ない場所で、掲載に費用もかかりません。ただし、掲載の申請の期限を過ぎると、原則として原稿は直せません。この記事では、地方選挙の選挙公報の仕組み、原稿を出すまでのスケジュール、読まれる掲載文の書き方と、書いてはいけないことをまとめます。
※えらぶカーは所属や党派に関わらず、同じ条件でお受けしています。この記事も特定の政党・陣営を念頭に置いたものではありません。選挙公報の様式や申請の方法は自治体ごとに条例で決まっているので、必ず選挙管理委員会の説明会や手引きで確認してください。
結論:選挙公報は「告示前に完成」「原文のまま載る」「並べて比べられる」
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 発行するかどうか | 地方選挙では、自治体が条例で定めた場合に発行(発行しない自治体もある) |
| 費用 | 選挙管理委員会が発行するので、掲載に費用はかからない |
| 申請 | 告示日(立候補の届出の日)が申請の期限という自治体が多い。締切の時刻も含めて確認し、原稿は告示前に完成させる |
| 掲載のされ方 | 原則として原文のまま掲載。誤字もそのまま載る。申請の期限を過ぎると原則として直せない |
| 届く時期 | 配布の期限や方法は条例で決まる(投票日の2日前までなど)。新聞折込みで配る自治体や、ホームページでPDFを公開する自治体もある |
書き方のコツはひとつです。他の候補者と並べられたときに、数秒で「この人は何をしたい人か」が分かること。文字をぎっしり詰めるより、名前・一言・政策の柱が目に飛び込んでくる紙面のほうが読まれます。
選挙公報の仕組み
国政選挙や都道府県知事選挙では選挙公報の発行が法律で義務づけられていますが、都道府県議会議員や市区町村の選挙では、公職選挙法第172条の2にもとづき、自治体が条例で定めた場合に発行します。多くの市区では発行していますが、町村では発行しないところもあります。条例で発行を定めている自治体では、選挙のたびに選挙管理委員会が自由に決めるわけではありません。まず、立候補する自治体の選挙公報発行条例を確認し、自分の選挙で選挙公報が出るかどうかを調べてください。
発行される場合は、立候補した候補者が申請し、選挙管理委員会が候補者の写真と掲載文を並べて1冊にまとめ、条例で決めた期限(投票日の2日前まで、前日までなど)までに配布します。各世帯に届ける自治体のほか、新聞折込みで配る自治体もあります。掲載の順番はくじで決めるのが一般的です。選挙管理委員会のホームページでPDFを公開する自治体も多く、紙の公報が届く前に見られる場合もあります(掲載の有無や時期は自治体によって違います)。名前を検索した有権者がネットで選挙公報を見ることもあるということです。
告示日までのスケジュール
| 時期 | やること |
|---|---|
| 立候補予定者説明会 | 選挙公報の様式(枠の大きさ、写真の規格、書き方の注意)を受け取る |
| 告示の1〜2か月前 | 掲載文の原稿と写真を作る。ポスターや法定ビラと内容をそろえる |
| 事前審査の日 | 立候補の届出書類の事前審査とあわせて、様式の確認を受けられる自治体もある |
| 告示日 | 立候補の届出とあわせて、掲載文と写真を申請する(締切の時刻は選挙管理委員会の指定を確認) |
| 条例で決めた期限まで | 配布される(投票日の2日前までなど) |
告示日は、届出、くじ、選挙カーの出発、ポスター貼りが重なる日です(告示日の朝にやること)。選挙公報の原稿は前日までに完成させ、コピーを取っておきましょう。立候補の届出の書類については立候補届出の必要書類一覧にまとめています。
原文のまま載る、ということ
選挙管理委員会は、申請された掲載文を原文のまま掲載するのが原則です。選挙管理委員会が誤字を直したり、読みやすく整えたりしてくれるわけではありません。名前の字の間違い、数字の打ち間違い、ふりがなの抜けも、そのまま有権者に届きます。なお、様式に合わないものや品位を損なう記載については、選挙管理委員会から訂正を求められる場合があります。また、掲載の申請の期限までは修正や撤回を申請できると定めている自治体もありますが、期限を過ぎると原則としてできません。
そのため、原稿は本人以外の2人以上で読み合わせをしてから提出します。特に、名前の字とふりがな、所属党派の表記、数字(年数、金額、件数)は、届出書類や根拠の資料と照らし合わせて確認してください。
読まれる掲載文の構成
選挙公報の枠の大きさは自治体ごとに決まっていますが、どの大きさでも、次の順番で組み立てると読まれやすくなります。
| 要素 | 書き方のコツ |
|---|---|
| 名前 | いちばん大きく。読み方が難しい場合はふりがなを大きめに |
| キャッチコピー | 「何をしたい人か」が分かる一言。ポスターと同じ言葉にそろえる |
| 政策の柱 | 3つ程度に絞る。見出しを短くし、中身は1〜2行で具体的に |
| 実績または思い | 現職は数字で示せる実績、新人は立候補のきっかけと地域との関わり |
| プロフィール | 生年、出身、学歴・職歴、地域の役職など。正確に |
| 写真 | 指定の規格どおりに。表情が明るく、ポスターと同じ印象の写真 |
新人と現職で、書く中身は変わる
新人は、有権者にとって初めて見る名前です。政策を並べる前に、「どんな人で、なぜ立候補したのか」が伝わることを優先します。地域での活動、仕事の経験、暮らしの中で感じた課題など、その人にしか書けない具体的な話が一つあると、読んだ人の記憶に残ります。
現職は、「この4年で何をしたか」を数字や固有名詞で示せるのが強みです。「子育て支援に取り組みました」より、「〇〇の拡充を議会で提案し、実現しました」のほうが伝わります。ただし、自分だけの成果のように書くと誤解を招く場合があるので、事実に即して書きます。新人と現職の戦い方の違いは新人と現職、地方選の戦い方はどう違う?も参考にしてください。
書いてはいけないこと
- 経歴などの虚偽:当選を得る目的で、学歴・職歴・所属政党・推薦や支持の関係などを偽って公表すると、公職選挙法235条1項の虚偽事項公表罪にあたるおそれがあります。政策の実績も、事実にもとづき、誤解を招かない表現にします
- 他の候補者についての虚偽:他の候補者を当選させない目的で、虚偽の事項や事実をゆがめた内容を公表することも、同条2項で処罰の対象です。他の候補者への批判が一律に禁じられているわけではありませんが、名誉を傷つける記載には法的なリスクがあります。選挙公報では、自分の政策や姿勢を伝えることを優先しましょう
- 品位を損なう記載:多くの条例で、他人の名誉を傷つけること、善良な風俗を害すること、特定の商品の宣伝をすることなど、選挙公報としての品位を損なう記載が禁じられています
- 根拠のない数字:「全国一」「〇〇億円の削減」などの数字は、根拠を説明できるものだけにします
ホームページのURLやQRコードを載せられるかどうかは、自治体の様式や運用によって違います。載せたい場合は、説明会で確認してください。
ポスター・法定ビラとそろえる
有権者は、ポスター掲示場のポスター、手にした法定ビラ、届いた選挙公報を、別々の場所で見ます。写真、キャッチコピー、色づかいをそろえておくと、「あのポスターの人だ」とつながり、名前を覚えてもらいやすくなります。ポスターの作り方は選挙ポスターの写真はどう撮るかも参考にしてください。
提出前のチェックリスト
- 名前の字とふりがなが、届出書類と一致しているか(通称を使う場合は、通称の認定を受けた表記か)
- 所属党派や推薦の表記が、届出や事実と一致しているか
- 白黒で印刷されても読める文字の大きさ・写真の明るさか。入稿データの形式は指定どおりか
- 枠の大きさ、文字の大きさ、写真の規格が、自治体の様式どおりか
- 経歴・学歴・役職名に誤りがないか
- 数字に根拠があるか
- 他の候補者への批判や、品位を損なう表現がないか
- 本人以外の2人以上で読み合わせたか
- 提出する原稿のコピーを取ったか
よくある質問
Q. 選挙公報は、提出したあとに直せますか?
掲載の申請の期限までは修正や撤回を申請できる自治体もありますが、期限を過ぎると原則として直せません。掲載文は原文のまま掲載されるので、提出前の確認がすべてです。扱いは自治体によって違うので、説明会で確認してください。
Q. 無投票になったら、選挙公報はどうなりますか?
候補者の数が定数を超えず、無投票で当選が決まった場合は、選挙公報は発行されません。
Q. 写真はどんなものを使えばいいですか?
規格(大きさ、撮影時期、背景など)は自治体の様式に従います。ポスターと同じ写真か、同じ日に撮った写真を使うと、印象がそろいます。
Q. 自分の選挙で選挙公報が出ないときは、どうすればいいですか?
選挙公報がない選挙では、ポスターと法定ビラ、選挙はがきが、候補者の考えを伝える主な紙の手段になります。ホームページやSNSに、選挙公報の代わりになる「政策のまとめ」を用意しておくのもおすすめです。
まとめ
- 地方選挙の選挙公報は、条例で定めた自治体だけが発行する。掲載は無料
- 告示日が申請の期限という自治体が多いので、原稿は告示前に完成させる
- 原文のまま載り、期限後は直せないので、誤字や数字の間違いは提出前に必ずつぶす
- 並べて比べられる前提で、名前・一言・政策の柱が目に入る紙面に
- 経歴などの虚偽、他の候補者についての虚偽、品位を損なう記載はしない
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| プラン | 料金 |
|---|---|
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| 政治活動・月額プラン | 70,000円 / 月〜 |
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