「軽バンをレンタルして、黒ナンバーを付けて配達を始めたい」
軽貨物で開業を考えている方から、よくいただくご相談です。初期費用を抑えられますし、合理的な発想だと思います。
ただ、結論から申し上げると、借りた車に黒ナンバーは付けられません。
これは業者が渋っているという話ではなく、仕組みの問題です。この記事では、なぜ取れないのか、ではどうすればいいのかを整理します。
理由は、車検証の「使用者」欄です
黒ナンバー(事業用の軽貨物ナンバー)を付けるには、運輸支局へ貨物軽自動車運送事業の経営届出を出し、そのうえで軽自動車検査協会でナンバーの交付を受けます。
このとき、車検証の「使用者」が、事業を行う本人(または法人)である必要があります。
ところがレンタカーは、使用者が貸主(レンタカー会社)のままです。ここが動かないので、借りた車で届出をしても、黒ナンバーは付けられません。
つまり問題は、車ではなく名義にあります。同じ軽バンでも、名義がこちらにあるかどうかで結果が変わります。
「レンタル」と「リース」は、ここが違います
同じ「借りる」でも、この2つは法律上の扱いが別物です。
| レンタカー | リース | |
|---|---|---|
| 車検証の使用者 | 貸主のまま | 借受人(お客様)に変更 |
| 期間 | 短期中心 | 長期(年単位) |
| 黒ナンバー | 取れません | 取れます |
| 貸主に必要なもの | レンタカー事業の許可 | 許可は不要 |
リースの場合、使用者を借受人の名義に変更するため、借りた側が自分の車として届出を出せます。貸主から見ると、道路運送法上もレンタカー事業の許可が要らない扱いになります。
「レンタルなら黒ナンバーも付けてくれるはず」という前提が、そもそも成り立たないということです。断られたのは、業者が意地悪をしているわけではありません。
では、どうすればいいのか
道は3つあります。
1. 車を買う
ただ、中古の軽バンはいま値上がりしています。 軽貨物の需要が高いこともあって、状態のよいものは80万円〜120万円ほどが相場です。「中古なら安く済む」という時期ではなくなりました。
それでも、使用者はご自身の名義になりますので、黒ナンバーの届出に支障はありません。
長く続けるつもりなら、これがいちばん素直です。 ただ、この金額を最初に出せるかどうかは、人によります。迷われるようでしたら、次のリースをご検討ください。
2. リース契約にする
初期費用を抑えたい場合の選択肢です。車検証の使用者をご自身の名義に変更してもらえる契約かどうかを、必ず契約前に確認してください。
「リース」という名前でも、実態が短期の貸渡しで使用者が動かない契約であれば、黒ナンバーは取れません。名前ではなく、使用者欄がどうなるかで判断してください。
3. そもそも黒ナンバーが要らないか、確認する
ここがいちばん見落とされています。
黒ナンバーが必要なのは、他人の荷物を、有償で運ぶ場合です。逆に言えば、それ以外であれば白ナンバーのままで問題ありません。
| 用途 | 必要なナンバー |
|---|---|
| 宅配・配送を請け負う(他人の荷物を有償で運ぶ) | 黒ナンバー |
| 自社の商品・資材を運ぶ | 白ナンバーで可 |
| 現場へ道具や機材を運ぶ | 白ナンバーで可 |
| 引っ越し・大きな買い物の運搬 | 白ナンバーで可 |
| 法人の社用車として使う | 白ナンバーで可 |
| 農作物を自分で市場へ運ぶ | 白ナンバーで可 |
「軽バンで仕事をする=黒ナンバーが要る」と思い込まれている方が、かなりいらっしゃいます。 実際には、自分の荷物を運ぶ分には要りません。
ご自身の仕事がどちらなのかを先に確認すると、そもそもレンタルで足りるケースがあります。
黒ナンバーを取るまでの流れ
必要だと分かった場合の手順です。
1. 運輸支局に経営届出を出す
貨物軽自動車運送事業経営届出書と、運賃料金設定届出書などを提出します。車両を用意してからになります。
2. 軽自動車検査協会でナンバーの交付を受ける
届出の控えを持って行き、黒ナンバーに交換します。
3. 事業用の任意保険に入る
自家用の保険は使えません。 事業用は保険料が上がりますので、開業前に見積りを取っておいてください。ここを見落とすと、想定より負担が重くなります。
4. 貨物軽自動車安全管理者を選任する
安全対策の強化により、選任と講習の受講が求められています。制度は変わることがありますので、届出の時点で運輸支局にご確認ください。
えらぶカーのレンタルについて
正直にお伝えします。
えらぶカーの軽バンは、車検証の使用者が当社のままです。 名義変更は行っておりませんので、当社の車で黒ナンバーを取ることはできません。
そのため、宅配や配送の請負でお使いになる場合は、当社ではお力になれません。 ご希望に沿えず申し訳ありませんが、他社をお探しいただくか、購入・リースをご検討ください。
一方で、白ナンバーで足りる用途であれば、そのままお貸しできます。
- 自社の商品・資材の運搬
- 現場への道具や機材の運搬
- 引っ越し、大きな買い物の運搬
- 法人の社用車として
- 農作業や市場への搬送
こういった用途でしたら、手続きは必要ありません。当日からそのままお使いいただけます。
料金や車種は料金ページにまとめています。ご不明な点があれば、「どんな荷物を、誰のために運ぶのか」だけ教えてください。 黒ナンバーが要るかどうか、こちらで整理してお答えします。
よくある質問
Q. 短期間だけ試したいのですが、それでも買うしかないですか?
黒ナンバーが必要な仕事であれば、購入かリースのどちらかになります。使用者名義が動かない限り、期間の長短は関係ありません。
ただ、いまは中古車の価格が上がっていますので、続けられるか分からない段階でいきなり買うのは重いと思います。その場合はリースのほうが現実的です。
Q. 知人名義の車を借りて、黒ナンバーを取れますか?
車検証の使用者をご自身に変更できるのであれば可能です。名義をそのままにして届出だけ出す、ということはできません。
Q. すでに黒ナンバーが付いている車を借りることはできますか?
できません。 黒ナンバーの車両は、その事業者の事業用車両として届け出られているものです。他人に貸し出す前提の車ではありません。
Q. 白ナンバーで配送の仕事を受けたら、どうなりますか?
無許可で有償運送を行ったことになり、罰則の対象です。「バレなければ」という話ではありませんので、必要な場合は必ず届出をしてください。
Q. 自分の仕事に黒ナンバーが必要か、判断がつきません。
「他人の荷物を、運賃をもらって運ぶか」が分かれ目です。判断に迷う場合は、管轄の運輸支局にご相談ください。開業前の相談も受け付けています。
関連ページ
料金とプランの全体は軽バンのレンタルにまとめています。 白ナンバーでのお貸し出しのため、使える用途・使えない用途もそちらに書いています。